じゃあないです
私が気に入らないだけで、別にどうってことないのかもしれないが。
若い10代の人から30代なかばまでの人たち(特に女性)に「おバカさん話法」(私の命名だが)が流行っている。
ちょっと前に女子大生の間で流行っていた、あの話し方だ。
「だからー!、それでー!、私がー!、転んだときー!」
なんていうアレである。
中でも一番気に入らないのが、意味もなく語尾を上げて疑問形にする話し方だ。
「彼がー!、レスキュー隊?、呼んでくれたしぃー!」
いかにも頭の回転が遅いのを誇示(^^;)しているような話し方で、聞いているこちらのほうにまでバカがうつりそうな感じがして不快なのだが、このことについては、「うんちく講座」の初期のコンテンツ「おかしな疑問形」で述べているので、重複はさけたい。
疑問形の話し方ほど目立たないのだが、これに近い感じがするのが、「〜じゃあないですか」という話し方である。

これも近頃テレビなどでよく耳にするようになってきたし、私の周りでもこんな話し方をする若い人が増えてきた。
そんなことってあるでしょう
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そんなことってあるじゃあないですか
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○○しますよね
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○○するじゃあないですか
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困ったものですね
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困ったもんじゃあないですか
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すごいですね
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→
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すごいじゃあないですか
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1つ1つみれば、そんなにおかしいわけでもないが、これを連発されると鼻についてくる。「うんちく講座」28番の「ダッタンデス語」と同じ理由でムカついて(^^;)くる。また疑問形と同じように押しつけがましい感じも否めない。
日本語に対するデリカシーが欠けてきたのだろう。脈絡のしっかりした日本語を、正しい語順で、しかも表現の重複をなるべくさけて話そうとする意識がなくなってきている。
自分の頭に浮かんだイメージを、言葉の断片だけで相手に伝えようとしているのだ。これこそ自己中心で押しつけがましい。
幼児だったらこういう話し方もしかたがない(思考のパターンがそうなのだから)
せいぜい高校生あたりまでなら、「流行の話し方だから」ということで許容できるかもしれない。
しかし、社会人としての分別もついてきた30歳前後の人が、こんな話し方をするのは勘弁してもらいたい。(30過ぎの人は若い頃からこういう話し方をしていたとは思えないから、流行に乗せられてカッコイイつもりで話しているうちに癖になったのかもしれない。「バカの真似をするのは止せよな!」と言いたい)
近頃は教師でもこんな話し方をする人が出てきた。
最近の教育の流行では、あまり教師がしゃべらずに子供に活動させることが多いので、教師の言葉にそれほど注目しなくなってきているようだが、だからこそ教師の発する言葉は研ぎすまされていなければならない。助詞の使い方ひとつにまで神経を使い、吟味を加えて話さなければならないのである。
それを、助詞を使わずに疑問形話法でごまかしたり、語尾を伸ばして話したりするようでは、教えられる子供がいい迷惑である。
「授業がうまく進まない」
「子供たちが思ったように活動しない」
「子供たちがきちんと話を聞かない」‥‥‥
それは身から出たサビである。
日本語をきれいに話すように努力をしなければならない。
ところが「じゃあないですか」などの「おバカさん話法」を連発する人は、自分の日本語がとてもキタナイことに気付いていない。むしろ自分は話し上手であるかのように勘違いしている。
こういう人に、「アナタの日本語は幼児なみですよ」ということを思い知らせてやるために、「じゃあないですか」と言われたら「じゃあないです!」と言ってあげよう(^^;)
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