フォントが変になったら


 ワープロで作った文書で、様々なフォント(書体)を使ったり、文字飾りを使ったりしたゴテゴテしたものを見かけることがあるが、個人的にはあまり好きではない。

 むしろ、フォントは明朝体とゴシック体を使う程度にとどめ、罫線枠やレイアウトですっきりと見せるのがセンスのよさではないかと思う(うんちく講座No.277「文書も見た目が大事」参照)



 それでも子供向けの文書を作るときには、私も、楽しそうな雰囲気や柔らかい雰囲気を出すために、POP系やまる文字系のフォントを使ったりすることがある(^^;)



 新しいパソコンを買って、ワープロソフトの最新バージョンをインストールしているだけならあまり問題はないのだが、私のように古いパソコンでワープロソフトの古いバージョンを入れて、その後、何度もバージョンアップしたり、他の人があまり使わないような画像処理ソフトや毛筆ソフトなどをインストールしていたりすると、そのパソコンで作った文書ファイルを他の新しいパソコンで読み込んだりすると、「環境に無いフォントを文書で使用しています」という警告が出て、他のフォントに置き換える処理を推奨する画面が出たりすることがある。

 そういうことを避けるためにも、他の人も使ったりする文書データを作ったり、メール添付で送信する文書ファイルを作ったりするときには、あまり個性的なフォントは使わないほうがよい。



 そういうことにはけっこう気をつかって文書を作っているのだが、先日、職場で作った文書ファイルを自宅のパソコンで読み込んでみたら、自宅のパソコンには当然入っているはずのフォントなのに「環境に無いフォントを文書で使用しています」という警告が出た。



 不思議に思い、パソコンのコントロールパネルからフォントフォルダを開いてみたら、そこには警告で「環境に無いフォント」と言われたものがちゃんと入っていた。

 ところが、ワープロ画面のほうで使えるフォントを調べてみると、いつもよりも種類が激減している。

 念のために画像処理ソフトやテキストエディタソフトなどを起動して、そこで使えるフォントも見てみたが、やはりこれまでよりも減っていた。



 「これは、パソコンの中のフォントファイルが壊れたのでは」と思い、ワープロ側から消えてしまったフォントをフォントフォルダから一度削除し、ワープロソフトや画像処理ソフトのCDでもう一度フォントをインストールしてみた。

 削除した時点で、フォントフォルダの中のフォントの種類は少なくなっていたし、再インストールしたらフォントフォルダの中のフォントファイルは増えた。



 「これで大丈夫!」と思って、ワープロを起動したが、使えるフォント数は増えず、作業の前と同じ状態だった。画像処理ソフトやテキストエディタで調べても同じだった。



 何が何だかわからなくなってしまったが、こういうときにこそ役に立つのがインターネットの情報。

 パソコンに不具合が起きたときにいつもお世話になっている「ウィンドウズ処方箋」を開いてみた。するとありがたいことに、私の疑問を解決してくれる情報がすぐに見つかった。

 よく起きるトラブルで質問も多いらしく、トップページに書かれている。



 それは、次のようなものだった。(引用です)



■フォントキャッシュの破損

フォントトラブルの多くはフォントキャッシュファイル (ttfCache) の破損で発生します。
ttfCache が破損すると以下のような症状が発生します。

ウィンドウ右上の最大化や最小化ボタンが数字などになる
ドロップダウンリストの▼やスクロールバーの矢印が数字やおかしな文字になる
アプリケーションで選択できるフォントが減る
フォントをインストールできない
フォントをインストールしても、アプリケーションのフォントリストに反映されない
フォントが横向きになる

ttfCache ファイルは削除すると次回起動後に再作成されるので、このファイルを削除することで問題を解消できます。



以下の手順を実行してください。

1.[スタート]−[検索]−[ファイルやフォルダ] をクリックします。
2.名前に ttfCache と記入し、「検索開始」ボタンをクリックします。
3.検索されたファイルを削除します。
4.[スタート]−[Windows の終了] で Windows を再起動します。



 上記の方法で検索したら、私のパソコンの場合は「C\WINDOWS」フォルダの中に「ttfcache」というファイルがあった(拡張子はない)

 これを削除して再起動したら、さっきまでのトラブルが嘘のように、使えるフォント数が元に戻って、状態は改善した。



 この作業をする際に、「ttfcache」が検索しても見つからない場合は、フォルダオプションで「全てのファイルを表示する」という設定にしておかなければいけないことや、Windows上で作業をしても、メモリー上にある破損したキャッシュが書き戻されてしまい回復に失敗することがあるので、MS-DOSモードで起動してから削除するか、Safeモードで起動すると確実に再作成できるなどという注意も書かれていた。(詳しくは「ウィンドウズ処方箋」をご覧ください)



 私の場合のように「選択できるフォントが減る」とか「フォントをインストールできない」というトラブルの他に、上述のように「最大化や最小化ボタンが数字や変な文字になる」というトラブルも、「ttfcache」の破損が原因で起こるのだそうだ。

 学校や職場のパソコンで起きるトラブルの症状としては、むしろこの例のほうが多いかもしれない。



 個人で1・2台のパソコンを使っている場合には、よっぽど運が悪くないと、このような症状に遭遇することはないかもしれないが、職場や学校等で数十台のパソコンを管理することになると、このトラブルに出会う機会もあるかもしれない。(私もこれまで2・3回経験がある)

 他にも自分の知識だけでは解決できないようなトラブルに遭遇したときには、「ウィンドウズ処方箋」を見てみると役立つ情報が載っていることが多い。ネットワークで扱うと不具合の多いWindowsXPについての情報も豊富である。

 学校や職場のパソコンのコンピュータの管理を担当している方にはお勧めである。

<02.05.13>


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