プロ御用達サイト



 本の編集者の方たちとお話する機会があった。



 社で「小学校のインターネット」という本を出すということで、その企画について編集長さんからときどきメールで相談されていたのだが、ちょうど私が上京する機会があったので、夜にでも一杯やりながら情報交換しようということになったのである。



 当日は、編集部の方が4名、私のほうは一緒に出張した3名で、とても楽しい時間を過ごした。同世代の方が多かったので、昔よく聴いていた深夜放送の話など、「懐かしの○○‥‥」的な話題が多かったのだが(^^;) さすがに「本の編集」という情報を扱うプロの方々だけに、私の知らない情報をたくさんお持ちで、話をしていて得るものが多かった。



 なかでも感心したのが、データベースとしてのインターネットの使い方であった。



 私などは、情報を調べるのに一般の検索エンジンを使うことが多い。うんちくのNo.328「お勧めGoogle」でも触れたように、よい検索エンジンを使い、キーワードを工夫すれば、ある程度、必要な情報を入手することができるが、検索エンジンが見つけてくれたたくさんのサイトの中から、自分が必要とする情報を探し出すにはけっこう手間がかかる。

 また、この頃では対象となるサイトも増えていて、その中には情報の信憑性に欠けるものもある。意図的ではないかもしれないが「ウソ情報サイト」のようなものもある。



 ところが、プロの方たちは、一般的な検索エンジンよりも、「この情報はこのサイト」という具合に、決まったサイトを使っているようだ。具体的には「書籍の情報はこのサイト」「過去のニュース記事はこのサイト」よいう具合である。

 これだと、時間のロスも少なく、入手した情報も正確である。いわゆる「プロ御用達サイト」と呼んでもいいだろう。



 今回、3つほど「プロ御用達サイト」をこっそり教えてもらった。まあ、こっそりといっても、秘密のサイトというわけではなく、Web上で公開されているサイトだから、紹介しても差し支えはないだろう(^^;)

 いつも「面白半分」をご愛読くださっている方へのプレゼントとして、ここで紹介したい。



◎ まず、近年のニュースを探すなら

 「佐賀新聞記事データベース」である。ここは全国でただ一つ、無料で過去の掲載記事を提供している。(他の新聞社のサイトだと最近の記事に限定して提供していたり、古い記事は有料だったりする)

 地方新聞であるが、地方記事だけでなく、掲載された記事は全国版・国際版・スポーツ版など全て提供されているので、とても役に立つデータベースである。もちろんWeb上で公開された記事(1994年以降)だけなので、昭和時代の記事などというのを見ることはできないが、それでもここ7年程度の情報はきちんと入手できるので非常に有益である。



◎ 書籍情報を探すなら

 「東京都立図書館」の「蔵書検索サービス」がお勧めだ。図書館の蔵書情報に限られるが、さすがに都立図書館だけあって、ほとんどの主要書籍はここにある。検索条件の欄に「書名」「著者名」程度の(自分でわかっている)事項を入れるだけで、きちんとした情報を提供してくれる。書籍のタイトルだけでなく、ある程度の内容まで表示してくれるのも素晴らしい。



◎ 手軽に百科事典を使うなら

 「日立システムアンドサービス」の「ネットで百科@Home」がお勧め。

 ここでは「平凡社世界大百科事典」の内容を見ることができる。ただし、正式には定期利用会員にならなければいけないのだが、5分間だけは会員以外でも利用することができる。5分間接続することを何度も繰り返す方法は望ましくないとされているし、お勧めはできないのだが、実際には可能である。

 まあ、その方法で、百科事典の全ての内容を自分のハードディスクに落としてしまおうなどという猛者もいないだろうが、ちょっとした調べものをするときには便利なサイトだ。ちなみに同社がCD(1枚)で提供している「マイペディア」よりも詳しい情報があるようだ。



 編集者の方が必要とするジャンルの情報と、教職員が必要とする情報は共通するものが多い。「新聞記事」「書籍情報」「百科事典の内容」を上手に調べることができれば、資料集めの効率はぐんとアップする。

 まあ、教職員とか編集者とかにこだわらなくても、上記の「プロ御用達サイト」を使えば、データベースとしてのインターネット活用の達人になれるはずだ(^^;)

<01.01.30>


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