マイクコードの8の字巻き



 私の「プロフィール紹介」「Akira’sコンサート」にも書いているように、高校・大学時代はロックバンドで歌っていたし、教職に就いてからも視聴覚機器の担当などをしていたので、私とマイクロフォンとのつき合いは長い。



 そういうこともあって、自分はマイクの扱いについてはセミプロ級だなどと自負していて、うんちく講座でもNo.183「正しいマイクの握り方」などというコンテンツを書いたりしたのだが、先日、ある放送関係の人と話をして、自分の知識もたいしたことがないことを思い知った(^^;)



 具体的には、マイクコードの巻き方についてなのだが、既にご存じの方もいらっしゃるかもしれないが、私が初めて知ったことを書いてみる。



 マイクのコードはけっこう長い。大きなステージで使うコードなどは数十メートルのものもある。短いものでも2・3メートルはある。



 このコードをしまっておくときに、私は単にぐるぐる巻きにすることが多かった。巻きの長さが均一になるようにするには、左手の肘を曲げて手のひらを肩のあたりに置き、肘の長さを利用してぐるぐる巻いていくという方法である。



 この方法、巻くのが楽だし、巻き終わったコードもきれいにまとまるのだが、のばして使うときにからまりやすいということと、ねじれが生じるという難点もある。



 そこで、この頃では、コードを半分の長さに折り、さらに半分‥‥という折りたたみ方式でやってきた。



 これだとからまることは少なくなる。ただ、のばしたときにねじれが生じるという問題は解決しなかった。



 ところが放送局とかステージ関係などの、マイクコードを扱うプロの人たちはまったく違った巻き方をしているのだった。

 それがいわゆる「8の字巻き」である。



 巻き終わった状態だけ見ると、ぐるぐる巻きと同じように見える。

 ところが、巻いた状態からコードの片端を引っ張ったときの状態が全く違うのだ。

 ぐるぐる巻きだと、引っ張られた残りの(巻かれた)部分が間違いなくからむし、ねじれが生じる。しかし、8の字巻きをしたものは、からむこともねじれることもなく、スルスルとのびてまっすぐな1本のコードになるのだ。

 ステージで歌い手が前に出ていったりするときもこれだとスムーズである。それが途中でねじれたりからんだりしたら格好悪いだろう(^^;)



 この8の字巻きは、巻くときに秘密があるのだ。



 下の写真は、ぐるぐる巻きの手の使い方である。これを繰り返していくと、「からむ」「ねじれる」の2拍子が揃った立派な「ぐるぐる巻き」になる。(^^;)



 ところが、8の字巻きをするときは、1巻き目を上の巻き方で行ったあと、2巻き目を下のような手の使い方で行う。



 画像のように右手を外側にねじって、手のひらを外側に向けるのだ。

 こうやって2巻き目をやったら、3巻き目は普通の(ぐるぐる巻きと同じ)巻き方、4巻き目は手をねじって‥‥という具合に交互に巻き方を変えるというのである。



 こうやって巻いた「8の字巻き」のコードは、使ってみると実に具合がいい。

 マイクコードに限らず、電源コードやロープにも使える方法なので、ぜひお勧めである。

<00.07.07>


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