大人も使える新キッドピクス



私がキッドピクスで描いた絵です(^^;)


 小学校で子供に使わせるパソコンソフトというと多様なものがあるが、入門期に一番良いのがお絵描きソフトであると私は考えている。

 たくさんの種類のお絵描きソフトが出ていて、選ぶのに迷うが、次のような点を配慮したらよいかと思う。

 第1に、出来上がる画像ファイルの形式が、Windowsの標準的なファイルであるという点である。

 どんなに優れた描画機能があっても、出来た作品を見るために専用のソフトを立ち上げなければならないというのでは良くない。(つまり、そのソフト独自のファイル形式で保存するというものである)MS-DOS時代から使われてきて、Windows用にマイナーチェンジをしたというソフトには、このようなことがよく見られる。

 そうなると、最低限でもWindows標準画像ファイルのBMP形式は扱えなければならない。とりあえずこれができれば他の画像処理ソフトでJPG形式やGIF形式に変換できる。この2つのファイル形式はインターネット上で画像を表示するための絶対条件となる。児童の作品をインターネット上で公開するなどというときは大事な条件である。

 2つ目が、多彩な描画機能があるという点である。

 Windows付属の「ペイント」という描画ソフトでも簡単な絵は描けるが、描画機能が乏しく、子供はすぐに飽きてしまう。新しい表現技法を知るたびに子供の絵は変化していくので、描画機能は多ければ多いほどよい。

 3つ目が、スタンプ機能を持っている点である。

 スタンプとは、既に準備された小さな画像を、画面に貼り付けていく機能である。「それだと子供の絵のオリジナリティがなくなる」という意見もありそうだが、子供はこのスタンプの使い方が実にうまい。同じスタンプを使ってもその子ならではのオリジナリティはじゅうぶんにあらわれる。

 4つ目は、キーボードなしで文字入力ができるという点である。

 これはスタンプ機能の発展的な機能としてついているソフトが多いが、要するにマウスだけで文字を画面に貼り付けられるという機能である。低学年でパソコン導入期に使う場合は、この機能が必須である。



 このような機能をほとんど満たす子供用お絵描きソフトとして、私がいつも勧めているのが「キッドピクス」(インタープログ)である。これまでも優れたソフトとして愛用していたが、今年(平成10年)の夏頃にマイナーチェンジをして「キッドピクス98」となったので、私も入手して使ってみた。

 ちょっと見ただけではわからないのだが、細かい点でずいぶんと改良されており、学校で使うには最適なソフトに成長していた。



 まず1番の変化が、32ビット対応になったことである。

 これまではWindows3.1用に開発されたものだったので、半角文字で8文字をこえる長いファイル名をつけることができなかったのだが、新バージョンではWindows95以降で使われたロングファイルネームに対応している。実はこの点が今までのネックだったが、これで完璧である。

 2番目はJPGファイルを扱えるようになったことだ。これまではキッドピクス独自のファイル形式とWindows標準のBMPファイルしか扱えなかったのだが、JPGファイルを使えることで、インターネットにそのままデータを載せることができるようになった。

 その他にも、細かい点でたくさんの改良がある(TWAIN機器も使えるようになった)のだが、操作性は今までと変わらないまま(良い意味で)、ぐんと成熟したという印象を受ける。

 子供用のソフト(描画のときに聞こえる効果音などは実に楽しい)なのだが、大人用のソフトよりも優れた描画機能があるので、使いようによっては大人っぽい絵を描くことも可能である。

 この文章の最初に表示した絵は、私がキッドピクスで描いたものだ。あまり上手ではないが、この程度の絵を10数分で描くことができる。

 ホームページで使いたい絵をちょこちょこっと描くには実に便利だ。



 そして私がえらく感動したのが、今回新しく追加された「バーチャル・ペインター」という機能だ。

 これは表面的には目立たない場所に隠されている機能なので、新バージョンを使っている人でも知らないでいるかもしれないが、実にすごい機能なので紹介したい。

 これは写真などの原画を「水彩画」風にしたり「色鉛筆画」風にしたりする機能である。

 文章で説明するよりも現物を見ていただいたほうがわかりやすいだろう。下にあるのがそのサンプルである。




これが原画の写真画像である

水彩画風の処理をすると
こうなる

※描画のタッチ等は多様に
 変えることが可能

色鉛筆画風の処理をすると
こうなる

※描画のタッチ等は多様に
 変えることが可能



 いかがだろうか。かなり使える機能だと思うのだが‥‥

 実は「うんちく講座」No.151「遠くを見る2題」でも、使っている自動車の画像は、日産のホームページから持ってきた「フェアレディZ」の写真を水彩画風に加工したものだ。



 こういうスグレものの描画ソフトが市価5,000円程度で入手できる。自分のパソコンに1つ入れておいても損はないと思う。(うちでは幼稚園児の娘がたいくつしたとき、これで遊ばせておけば2時間はもちます ^^;)

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