校内マラソン大会でのビデオ活用法


 実際にはマラソンというほどの距離ではないが、ある程度の長距離を走る大会を校内で行っている学校は多い。

 小学校だと高学年で1000m〜1500m、低学年で400m〜600m程度というのが一般的だろう。

 これを路上でやっている学校もあるだろうが、最近の交通事情では危険も多いので校庭のグラウンドでやることも多い。

 ところが、1周200m程度の周回コースでやると、走っている子供よりも教師の方がパニックになることがある。

 4周目ぐらいになるとトップを走っている子は周回遅れの子を追い越してしまう。(これはしかたのないことだ) 1500mも走れば2周遅れの子も出てくる。これを見極めて、ゴールしてくる子に順位札を渡し、ストップウォッチでタイムをとろうとなると、教師が4・5人いても間に合わないこともある。

 こうなると教師はイライラし、怒鳴り声を上げたりする場面も見られる。自分たちの進行のまずさを棚に上げて、子供たちに「走り方が悪い」だの、「自分の順位ぐらい覚えておけ」だのという暴言を吐いたりする。必死になって走ってくる子供たちはゴールすることに精一杯で、ゴールの瞬間に言われた順位やタイムなど覚えていられるはずはない。


 こんなときに役に立つのがビデオカメラである。

 ビデオについて「うんちく講座」NO.139「撮ったビデオ見ますか?」で否定的なことも書いたが、こんなときにこそ活用したい。
 まず、ゴール地点を撮影できるようにビデオカメラを三脚でセットする。ゴール地点だけのアップでは全体像がつかみにくいので、ゴールした子供が誰なのか判別できるぎりぎりの程度までズームをひいておく。

 最近のビデオだと画面の中に時刻も撮し込めるようになっているので、スタートした瞬間を0分0秒にセットできるようにすればストップウォッチを使う必要もなくなる。それができない場合は、1人の先生がビデオカメラのそばで「○○秒、○○秒‥」と声に出してカウントすれば、後で再生してゴールのタイムを判定できる。なんなら再生を見ながらストップウォッチを押してもよい。

 この方法だと、子供が走っているときは、教師は周回の間違いがないように注意するだけでよい。ビデオを見れば順位も分かるので(きわどい着差もスロー再生や静止画で競馬の写真判定のように正確にできる)順位札を配る必要もない。

 「あとで順位とタイムの一覧を配るからね」と言って、その場は終わり、あとでゆっくりと正確な順位とタイムを整理すればよい。

 4・5人もの教師がいてもおたおたすることがあるマラソン大会も、ビデオを活用すれば2人でじゅうぶん進行できる。やりようによっては1人でもできる。

 こんな視聴覚機器の活用も試してみる価値はあると思う。

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