ネタ



 私は本当は国語科を主に勉強してきたのだが、学級を持たなくなってからはずっと国語の授業をしていない。(現時点で7年になる)そのかわりに、他の学級に行ってやるのが、ほとんど音楽の授業である。もともと、きちんとした音楽の勉強もしていないし、ピアノの勉強をやったこともない門外漢なのだが、若い頃ロックバンドで遊んで曲を書いたりした経験などから独学の楽典の知識があることと、音楽が好きなことが財産になって、どうにか授業をやっている。

 ただ、毎週4〜6時間程度の音楽の授業をやってきた積み重ねやら、自分が趣味として音楽作りにはまって身につけた雑学やらがあるので、もしかしたら、ある一面では音楽専門の先生よりも優れた指導をできる部分もあるかとも思っている。

 ここでは、私が工夫した「音楽の時間のはじめの数分間の使い方」について紹介する。

 (実際の音を聞きたい場合は、右のプレーヤの再生ボタンをクリックしてほしい。)


 音楽の時間の指導をしていて感じることは、リコーダーや鍵盤楽器の演奏技能での個人差が大きいことである。本来は個別の指導と練習を繰り返していかなければならないのだが、一斉指導の形態が多い今のやり方ではそれもなかなかままならない。

 まずは、その時間を毎回の音楽の学習の時間に組み入れたい。特に音程の感覚をきちんと身につけさせたい。聴いた音をそのまま楽器で鳴らせる力、思ったメロディーをそのまま楽器で演奏できる力を身につけさせたい。しかも楽しい活動の中で。

演奏例の楽譜そこで考えたのが次のやり方である。

 教師が楽器で2小節程度のフレーズを演奏する。児童はそれと同じフレーズをまねて演奏する。

 その際、でだしの音は、最初は「ソ」の音から始める。次に「ラ」、「シ」、「ド」と上がっていく。(譜例参照)
 (和音の進行は、C→F→G→Cとなる)

 ソから始まるフレーズであるが、次第に難しいフレーズにしていく(学年の程度に合わせて)。その際には「ソファミファソラソ」のように鍵盤が隣り合った音の連続になるようなフレーズにして、「ソドシラミファソ」のような音が飛ぶフレーズは避ける。
 (文字だけでは分かりにくいので、MIDIがなる環境の方は、ぜひ実際の音を聴いていただきたい)

 最近の電子鍵盤楽器は、いろいろなリズム伴奏ができる機能がついているので、楽しいバッキングパターンを使えば、子供たちもリズムに乗りながら、知らず知らずのうちに技能が身につくということになる。

 私の場合は、教室(音楽室)に入っていったら、挨拶をしないで、いきなりこの活動から始めることにしている。「静かにしてください!」「気をつけ!礼!」よりは気がきいているように思う。ただし、この活動、せいぜい3分程度で終わりにするのがコツである。



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