マイル・モウス



 卒業式・入学式・運動会などの行事に挨拶はつきものであるが、来賓の祝辞などで敬語の使い方があやしい人が話すときは、聞いているほうもドッキリしたり、ハラハラしたりすることがある。

 話している人が、もともと話のじょうずでない人だと、こちらも「しかたないなぁ」ですませるのだが、けっこう分別もあり、話もじょうずな人が、間違った敬語の使い方をするのを聞くと「おやっ?」と思うことがある。

 次の例は、よく耳にする間違った表現である。これを「おかしい」と感じる方は、正しい国語の使い手である。
 反対に「どこがおかしいの?」と思う方は要注意である(^^;)

  ○ 今日の運動会には、皆さんの活躍を応援しようと、たくさんの方がまいっていますね。

  ○ 先ほど、市長さんが申されましたように、皆さんは思いやりの心を大切に‥‥‥。

 お気づきの方も多いと思うが、これらの例では、謙譲語と尊敬語を勘違いして使っている。

 敬語の使い方についてくどく説明することは避けるが、簡単にまとめると次のようになる。

  尊敬語
 相手の行動などを上げることによって、相手を尊敬する。
  謙譲語
 自分の行動などを下げることによって、相手を尊敬する。
  丁寧語
 会話等の全体をていねいな表現にする。

 上の例の場合の「まいる(参る)」も「申す」も謙譲語である。自分の行動に使うのはよいが、尊敬すべき相手を下げてしまったら、大変失礼な言い方になる。

 正しく言うのなら、「たくさんの方がいらっしゃって」とか、「市長さんがおっしゃられたように」と言うべきである。

 「食べる」という場合の「召し上がる(尊敬語)」と「いただく(謙譲語)」なども、よく間違えた言い方をする人がいるので注意したい。(「どうぞ、いただいてください」は間違い)



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