うぐいすの語源


 いつも「面白半分」をご覧いただいている「さくさべ」さんから、興味深いネタをご提供いただきましたので、紹介させていただきます。

(以下、さくさべさんからのメールの引用です)

「うぐいすは、何故うぐいすと呼ばれるようになったか」
 
 最大級のエルニーニョの発生とやらで、暖冬傾向との予想がもっぱらでしたが、結構な寒さと降雪が続いています。九州地方では、すでに梅の開花と同時にうぐいすの初鳴きが話題になっているようです。うんちく講座があまり面白いので、私も一つうんちくの季節ネタを提供いたします。著作権はありません。
 
 うぐいすは、枕草紙の頃の表記では「うくひす」となっていました。濁点の表記は、最近になってからです。音韻学では、昔の「う」の発音は、「fu」に近いものであり、「い」の発音も」「hi」に近いものでした。ハ行も現在とは違ってファ フィ フゥ フェ フォと発音されたことが推測されています。
 
 その根拠は、中世の「なぞなぞ」を集めた本に「父には一度も会わず母には二度会うもの」という謎かけがあり、解答として「くちびる」となってることによるものです。つまり、父の発音は現在のものにほぼ近いが、母は英語のF音に近く、ファファと唇を合わせて発音していたということになります。
 
 ところで、万葉集は万葉仮名という漢字で表記されていますが、日本人が文字を持たない頃の発音を、当時の中国語の文字を借用して書いたものです。これらを分析すると、「ひ」の発音は、「Pi」に近いものだったことがわかっています。また、「す」の発音は、「tyu」にちかいものだったことも推測されています。

 そこで、「うぐいす」の発音を大ざっぱに遡っていくと、「うくひす」「ふくぴちゅ」の順に古くなるわけですが、お気付きのようにフークピチュ(声に出して見ればよくわかる)という鳴き声からきているものです。ここまでくれば、後は簡単、「すずめ」は勿論「ちゅちゅめ」であり、「め」は、小さいものの愛称の接尾語。ちゅんちゅん鳴く可愛い小鳥ということになります。

 なるほど、鳴き声がそのまま名前となり、音韻変化をとげたということですね。すると「かっこう」などは音韻変化がなく、そのまま今でも鳴き声で呼ばれているということになるでしょうか。さくさべさん、貴重な情報提供ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。



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