早く帰ろう



 どこの学校でもそうかもしれないが、学校の先生たちが家に帰る時刻が遅い。夜の9時頃にやっと学校を出るという先生も多いのではないだろうか。(他の職種もそうなのかもしれないが)

 そんな時間まで仕事をしないと間に合わないほど忙しいのも事実である。特に部活動を担当している方は大変だろう。

 しかし、毎日、子供が寝る時刻よりも遅く帰宅するという生活は正常ではないと思う。そんな生活は貧しすぎる。

 仕事が多かったら、自宅に持ち帰って深夜までやるのもしかたがない。朝早く起きて頑張る方法もあるだろう。とにかく、もう少し早い時間に帰ってみよう。

 道端に咲いている季節の野草、日が沈む夕暮れの景色、それぞれの家から流れてくる夕げの匂い、そんなものを全然感じない生活では、心が痩せてしまう。

 教師の仕事は、とことんやろうと思ったら、きりがない。つきつめてやったら家にも帰れない。でも、そんな淋しい生活をしている人間が、心豊かな子供を育てることができるだろうか。

 勤務時間は8時間である。少しは頑張ってもいいが、適当なところで切り上げよう。手を抜くことも自分のためには必要だ。自分の時間はきちんと確保しよう。そして、そこで自分の趣味に取り組んだり、「子供と教師だけの学校社会」以外の人とつき合ったりして、自分の中身をふくらませることこそ、本当の意味で「子供たちのためになる」ことであると私は考える。

 私のように、学校からは早く出るが、パチンコ屋に寄って帰宅は遅くなるというのは、あまりお勧めはしないが(たまにはそれもいいと思う)、毎日ではなくとも、せめて、月に数回、夕方5時頃に学校を出るのは、ある意味で教師の義務であると思う。


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