じっぷんorじゅっぷん



 3時50分をあなたはどう読むだろうか?。「さんじ ごじっぷん」が正しく、「さんじ ごじゅっぷん」はよろしくないというのが私の意見である。

 私は現在、教頭をやっているので、ほとんど授業を持っていないが、もともとは国語科を専門とする国語の教師である。小学校の国語の教科書は、どの出版社のものでもたいてい巻末に既習の漢字の一覧表がついている。そこで「十」という漢字の読みとしては「じゅう・とお・じっ」というのが出ている。「じゅっ」という読みはないのである。したがって「10分」は「じっぷん」とは読むが、「じゅっぷん」とは読まないのが正しい。

 ところが、正しい日本語の見本となるべきアナウンサーでも、これを「じゅっぷん」と読む人がかなりいる。代表的なのがNHKの松平アナである。好みの問題といえばそれまでだが、私にはかなりキタナイ発音に聞こえてしょうがない。

 そこでNHKに直接、電話してみた。(私の家族は、けっこうこれが好きである) すると担当者が答えるには、「確かにご指摘の通りですが、現在、実際に国内で使われているのは半々なようで、アナウンサーによっては『じゅっぷん』という人もかなりいるようです。」とのことだった。

 我々国語教師が「正しいのは『じっぷん』ですよ。」と教えなければならないのだから、せめてNHKのアナウンサーぐらいは、きちんとした話し方をして欲しいのだが・・・(ちなみに地方局の年輩のアナウンサーはほとんど「じっぷん」ときれいに発音している)

 まあ重箱の隅をつつくような話題といえばそれまでだが、奇特にもこの文章を読んだ方は、私を会長とする「『じっぷん』を普及する会」の会員になっていただければ幸いである。



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