保健室訪問



 保健室登校という言葉はご存じのことと思う。不登校の児童生徒が学校に出てきた際に、直接教室に行くのに抵抗がある場合のひとつのクッションとして、登校して保健室にいるという場合もあるし、逆に不登校になる兆候として教室に行かず保健室にしかいられなくなるという場合もある。また不登校傾向はないのだが、1日じゅう保健室から出られないという子供もいる。

 いろいろな学校の養教の先生に話を聞くと、どこの学校でも保健室はいわゆる「保健室登校」の子供でいっぱいだという。保健室登校の児童生徒への対応で、従来の養護の業務ができなくて苦労している養教の先生も多いと聞く。

 不登校の子供が自分の学級にいる場合、担任の先生は家庭訪問を行っている。では保健室登校の子供に対してはどうだろうか。

 もし学校に来ても、相手をしてくれるのは養教の先生だけ。担任の先生も管理職の先生も誰もその子に合いにこないとなれば、その子の気持ちは寂しいものになるだろうし、捨て子を預けられたような(ちょっと語弊はあるが)養教の先生も辛い。

 不登校ではなく、とりあえず学校に来ているということで、担任も学校も安心してしまい、気を緩めてしまってはいけない。

 家庭訪問のように、放課後に時間を見つけ、車で行かなくても、すぐそこの保健室に子供がいるのである。授業のない空き時間に職員室で談笑したりテストの採点をしている時間に、ちょっと保健室を覗いて声をかけることもできる。もちろん、担任に限らず、学年主任の先生や、私のような教頭や校長先生も暇をみつけて保健室を覗くようにしたらどうだろう(すでに実行されている方も多いとおもうが)。きっと何かいいことがあると思うのだが。


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