われら変態ジェネレーション
新聞やテレビのニュースを見て、いつも気になることがある。
「下着ドロ」「更衣室ビデオ撮り」「電車でチカン」などという「変態犯罪」の犯人(容疑者)の年齢が私と近いことだ。現在(97年10月)私は42歳なのだが、これらの犯人は40〜44歳あたりのことが多い。いつでも40台前半が犯人であるということではなく、今から5年前であれば犯人は35〜39歳というように、私と同年代がいつもこのような変態犯罪の主役(?)なのである。
なんとなく分かるような感じがする。私自身もなんだかこのような変態的要素があるような気もするし、私の同年代の人にその傾向が強いようにも思う(失礼)
変態犯罪者という悪い面だけでなく、芸能界でテキトーな雰囲気ながらセンスと才能で生きている人間もこの世代に多い。明石家さんまとか、所ジョージとか、古館伊知朗(こう書くんだっけ?)とか、小堺一機とか。野球の中畑もそうだし、麻原ショーコーもそうだ。
なんでなんだろう? つらつら考えてみるに、やはり育ちだろうと思った。
だいたい、この層(私と同年代)の親は、戦争に行くことを至上として教育されながら、終戦に間に合わず「戦争に行けなかったお父さん」である。これまで信じていたものがなくなり、気が抜け、価値観が変わり、「自分の子供に教えるべき道徳的規範」をなくした人たちなはずだ。ただ、高度経済成長の中で、収入は増え、生活水準は向上し、それぞれの家は戦後の貧乏暮らしから文化生活へと見事に変貌していった。
その中で育ったのが私の年代である。しつけはなく金は(必要最小限よりちょっと)あるという自由の中で、時代の変化は私の成長と常にいっしょだった。テレビが家庭に入り、ビートルズは日本にやって来た。平凡パンチやプレイボーイが手に入り、小川ローザのモーレツCMは思春期の入り口だった。昔のほのぼのとした田舎の暮らしも体験している。力道山の街頭テレビも知っている。で今はインターネットである。考えて見るとずいぶん豊かな体験もしているし、言葉を換えると刺激の多い中で成長してきた。しかも、成長を貫く精神的バックボーンはゼロである。強いて言えば「ま、いいか」かもしれない。
こういう育ち方をしてきた私(の年代)が、変態犯罪者を多く産出しているのは、当然の結果なのかもしれない。
昭和30年周辺生まれの私達の他に、もう一つ、この手の犯罪者が多い年代があるようだ。それは現在30歳前後の年代である。ここらへんの時代背景はどうなっているのか、このことについては、まだ分からないでいる。
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