筆記試験用中古パソコン
役所のパソコンを新しいものに替えることになり、これまで使っていた古いノートパソコンを学校等に無償譲渡するという話を聞いた。
不要になったノートパソコンは大量にあるそうで、学校等から希望があれば何台でも譲渡してくれるらしい。
古いパソコンを廃棄処分するとなれば、それなりに費用もかかるだろうから、廃棄せずに使いたいというところがあるのなら、むだがなくてよいことだと思う。
ただ、それらのパソコンは5年程前のWindows95モデルで、CPUが166〜330MHz、内蔵ハードディスクの容量が2〜4GBということなので、最新のアプリケーションをインストールして使うには、かなり非力なマシンだと思う。(我が家ではまだそのレベルのマシンが元気に働いているが‥‥^^;)
今のところはなんとか使えるかもしれないが、もう2・3年したら完全な旧型マシンになってしまうだろうから、「ぜひそのパソコンをください」と手を挙げる学校は意外に少ないかもしれない。
もし大量に余ってしまったら‥‥ということで、私が考えた利用法が、公的機関で行う筆記試験用のパソコンとして使うという方法である。
例えば、教職員採用試験や管理職選考試験で小論文を書く場面がある。
この場合、手書きをすることになっているが、私などは字がへたな上に、ふだんパソコンワープロばかり使っていて漢字を書く力も落ちているので大変苦労をした(^^;)
こういう試験に備えて、日頃から手書きの練習をしておけばよいのかもしれないが、試験で見るべきは文字の美しさではなく、文章のなかみであり受験者の考え方である。
手書きで小論文を書きながら、「こんなときにワープロを使えたら‥‥」と考えたのは私だけではないかもしれない。
しかし、そこで個人のパソコンやワープロの持ち込みと使用を認めると、試験の公正さに問題が出るかもしれない。個人のパソコンなら事前にハードディスクの中に資料等を入れて置くことができるからである。極端な例をあげると、前もってたくさんの小論文を書いておき、試験問題にあったものをそのまま使うということも考えられる。
これは個人のパソコンを持ち込むから問題なのであって、全員に同じパソコンを使わせることができるとすれば問題はないだろう。
そのためには何十台、何百台というパソコンを準備する必要があるので、実現は難しいと思ったのだが、そこに出てきたのが古いノートパソコンを大量に無償譲渡するというこの話である。
これなら、小論文を書く受験者全員に、同じパソコンを使わせるということが可能になる。
前述したように譲渡されるノートパソコンは古い機種であり、マルチメディア等の最新ソフトをバリバリ使うということはできないが、ワープロソフトでシンプルな文章を書くのであれば問題なく使える。
パソコンワープロソフトだと、ワードと一太郎を入れておけば大丈夫だろう。これらのワープロの最新バージョンには対応できないかもしれないが、小論文にカラーグラフィックや多様なフォントなどは必要がないから、数年前の古いバージョンでも問題はない。
ワープロソフトの使用権の問題がある場合には、ワードパッドやメモ帳などの「Windows標準添付ソフト」でもよいだろう。
使用上の環境設定などが、ふだん自分が使っているものと若干違うと使い勝手が悪いかもしれないが、それでも手書きするよりはずっと楽なはずである。(環境設定を変更してもよいことにしておいても、リカバリーソフトをインストールしておけば、次に電源を入れたときには元の状態になるし‥‥)
手書きよりはずっと速く文章作成ができるし、書いたものを修正するのも具合がよい。小論文試験にかける時間も短縮できるだろう。(もちろん、どうしても手書きでやりたいという人もいるだろうから、試験時間の短縮は無理かもしれないが‥‥。おそらく「パソコン使用可」ということになったら半分以上の受験者はパソコン使用の方を選ぶのではないだろうか)
こうやって考えると、いろいろ面白いアイディアが出てくる。
プリンタを準備するのは大変だろうから、小論文の提出はファイル形式にしてもらう。フロッピーディスクでもよいが、ネットワークにつないでサーバにアップしてもらうほうがよいかもしれない。
ネットワーク接続が可能なら、小論文作成の際にインターネットを参照して、そこで入手した資料を論文の中に引用してもよいということにすれば、時代に対応した情報活用能力も見ることができて一石二鳥かもしれない(^^;)
職場でも大学でもパソコンやワープロを使って文章作成するのが当たり前という時代になったのだから、筆記試験も機器使用可にしてよいと思うし、そのために古くなったノートパソコンを使うというのも、我ながら良いアイディアだと思うのだが‥‥(^^;)
<03.02.15>
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