マイカー泊で安上がり旅行



 学校完全週5日制になって、子供と旅行できる機会が増えた。

 休みを利用して「ゆとりの中で生きる力」を育てるわけで、土曜日の休みに学力向上のために勉強させるだけでなく、親子のふれ合いの機会を作ったり、見聞を広めたりするのもよいことだから、家族旅行もけっこう望ましい過ごし方ではないかと思う。



 車で1・2時間程度で行ける身近なところを日帰りで見に行くのもよいが、たまには土日を利用して、片道3・4時間かかるところまで脚を伸ばすのも楽しい。

 しかし、しょっちゅう土曜日にホテルや旅館に宿泊するのではお金もかかるし、空き部屋のある宿を探すのも難しい。(特に3連休以上になる場合などは半年以上前から予約していないと無理である)



 そこでお勧めなのが自分の車に泊まってしまうという方法である。

 私の車は下のような大きめのワゴン車タイプなので、シートをフルフラットにすれば、大人2人に子供2人程度なら楽に寝ることができる。



 最近では、そんなに大きくないタイプの車でも、多様なシートアレンジができる車も増えているので、ちょっと工夫すれば親子3〜4人程度は車の中で寝ることは可能なようだ。



 ホテルや旅館に泊まるように、快適な宿泊に必要な要素は、次のようなものである。

 ○ 寝ることができる。

 ○ 入浴ができる。

 ○ 食事ができる。

 ○ トイレに行ける。

 ○ 洗面ができる。



 10年位前までは、車に泊まるときに、これらの要素をほとんど満足するには、キャンピングカーを使うか、オートキャンプ場に泊まるしかなかった。それでも入浴はできなかったり(簡易シャワー等はあったが)、食事は自分で作るしかなかったりした。



 ところが、最近では、ホテルに泊まらなくても、これらの条件を全て満足できる環境ができてきた。

 全国に急速に増えている「道の駅」である。



 本来は、ドライブの休憩場所として作られた施設であるが、駐車場には、きれいなトイレがあり、そこでは24時間、トイレのほかに洗面もできる。食事ができる食堂も完備されていることが多い。

 しかも嬉しいことに、道の駅の中には、すぐそばに温泉等の入浴施設を備えているところも多い。(地域の交流センターも兼ねているタイプが多く、一般の浴槽の他に、ジェットバス・サウナ・露天風呂などがあったりして、温泉としても充実したものが多い)



 ほとんどの入浴施設は、入浴料が300〜500円程度。子供だと100〜300円程度である。夜の9時か10時程度まで入浴できるところが多く、一度入浴料を払えば施設から出るまで何度でも入浴可能というところも多い。

 夕方の5時か6時頃までに温泉施設に到着して、まずはひと風呂浴び、その施設の中の食堂で食事を済ませ(もうそこから車で移動しない場合はビール等を飲んでもかまわない)もう一度ゆっくりお風呂に浸かって、9時か10時頃にマイカーに行き、ゆっくりと寝るということが可能である。

 夜中にトイレに行きたくなっても駐車場のきれいなトイレが使えるし、朝起きたら快適に洗面もできる。早い時間だと朝食はとれないこともあるが、ちょっと移動すればコンビニがあることも多いので、手軽に安価な朝食をとることもできる。



 このパターンで何度か旅行してみたが、けっこう快適である。

 ちゃんとした宿泊施設に泊まれば、一泊二食付きで1人分1万円以上払わなければいけないのが一般的だが、このパターンだと1人千円ちょっとで快適な旅ができる。

 昔だとホテル等に泊まらないと緊急の連絡もとれなかったが、今は携帯電話があるので、緊急時に連絡がとれないという心配もない。安上がりなマイカー泊でお金の心配をせずに、家族旅行の回数を増やしてみるのもよいのではないだろうか。



 お勧めのマイカー泊旅行ではあるが、気をつけなければいけないことが、いくつかある。



 1つ目は、このパターンの旅行が年中できるわけではないということである。

 7月・8月の暑い時期にはお勧めできない。狭い場所に何人も寝ると暑い時期にはかなり寝苦しい。車のエアコンをつけておけばなんとかなるが、エンジン音は周囲の迷惑にもなるし、環境を汚さないという面から考えるとよいことではない。

 また、外に雪が降っているというような寒い時期もまずい。布団を多めに持っていけば、ある程度の寒さには耐えられるが、外の気温が氷点下になるような時期だと、へたをすれば「家族全員凍死」などということにもなりかねないから無理はしないほうがよい。

 このパターンの旅行ができるのは、(地域にもよるが)せいぜい5〜6月と、9〜10月程度と考えたほうがよいだろう(いずれも絶好の行楽シーズンである)



 もう1つは、車で寝る際に、ちゃんと布団を準備したほうがよいということである。

 車のシートの上に直接寝るのはお勧めできない。寝ている間に身体から出る汗の量はかなりあるので、シートに直接寝たのでは、何度も繰り返しているうちに汗がしみ込むし、シートを傷める結果にもなる。

 また、シートをフルフラットにしたとはいっても、微妙な凹凸があるが、これが寝る際にはけっこう邪魔になる。シートの隙間やくぼみは、持っていったバッグやクッション等で補正し、そこに薄手でも敷き布団を重ねれば、シートにそのまま寝るのと比較してずいぶん快適になる。



 私はこの方法で家族旅行を楽しんでいるのだが、このページをご覧の方の中には、仕事の都合で、子供といっしょに旅行できる環境にないという方もいらっしゃるだろう。そういう方には本当に申し訳ない。ただ、何かの機会にそういう旅行をしてみるとか、夫婦での旅とか、一人旅の機会があるかもしれないので、そういう場合にでも参考にしていただけると幸いである。

 いきなりマイカー泊の旅行に行くのがちょっと心配という方は、もし家族何人かが寝られる車を持っているのであれば、自宅前で、宿泊練習をしてみるというのもよいかもしれない(^^;)いろんなシートアレンジができる車を持っていたら、その機能を使ってみようというのが私の提言でもある。



 さて、そのような旅行に使える道の駅等の施設であるが、インターネットで検索するとけっこう見つかる。

 道の駅でなくても、いわゆる「健康ランド」なども使える。この場合は車に寝なくても仮眠所を安価に使える場合もある。最近できたいろんな施設を活用すれば、工夫次第で安上がりな楽しい旅ができるような時代になった。



 ちなみに、私が1泊程度のマイカー泊安上がり旅行をするのに、よく使っている情報収集サイトはこちらである。これは東北の道の駅情報だが、ここからのリンクで全国の道の駅情報も見つけられるので、興味のある方はご覧いただきたい。

<02.09.24>


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