ちょっと物騒なタイトルをつけてしまったが、「こんなことが起こらなければよいのだが‥‥」という、私の取り越し苦労である(^^;)
小泉首相のメールマガジンが人気とのことだ。創刊から1週間もたたない現時点で購読者数が180万人を超えたというからすごいものである。世界最高の購読者数ということでギネスブックに申請するというハナシもあるそうだ(^^;)
現時点の日本のインターネット人口は2千万人とも3千万人ともいうが、企業や公的機関などを除けばもっと少ないだろう。その中での180万人といえば10人に1人程度は購読していることになるから、前代未聞の巨大メルマガである。
私は個人的には、メールマガジンの「向こうから送りつけられてくる」という感じがあまり性に合わないので(^^;)購読申し込みはしていない。
もっとも、小泉メルマガの内容は首相官邸ホームページの小泉内閣メールマガジンのコーナーでバックナンバーを見ることができるから、どうしても見てみたい場合はそれで十分である。
もともとホームページで表現してもよい内容を、メールマガジンという形態にしたのは、首相から自分に直接メールが送られているという親近感を重視するということで、これは首相のセンスのすぐれているところだと思う。
それはさておき、私が心配しているのは、このメールマガジンが悪用されてウイルスばらまきの道具に使われないかということだ。
前述のメールマガジンのコーナーをよく見てみれば「ウイルス防止のためファイルの添付は行いません(添付ファイルのついたメールは偽物です)」という注意書きがある。
メルマガの読者がこのことに十分配慮していれば、仮にウイルスが添付されたメールが届いてもちゃんと対処できるだろうが、今回メルマガを申し込んだ人の中にはインターネット初級者レベルの人もかなりいるのではないかと考えられる。
そういう人に「首相の肉声を聞くにはここをクリック!」などという文面があるメールが届いたとしたら、疑いもなくクリックしてしまう人も多いだろう。
一般的にメールマガジンの配信数は数千程度である。多くても数万というところだろう。だからウイルスをばらまこうという悪い輩もあまり相手にしなかったのだと思う。
しかし、小泉メルマガは桁が違う。意図的にウイルスをばらまこうとする人間からは格好の標的にされることが心配される。
ウイルス等に詳しい人の話では、ウイルスの二次感染・三次感染の拡大率は約50倍なのだそうだ。(悪質なウイルスは感染したら最後、コンピュータのアドレス帳にある人にウイルス付きメールを出しまくることもあるようだ)
メルマガにウイルスが添付された場合、180万人の読者の中の15万人が感染したとして、二次感染者は750万人。三次感染者は3億7500万人となるから、日本のインターネットは壊滅的な状態になるだろう。
ウイルスにもいろいろな種類があるようで、画面に冗談のようなメッセージを表示するだけという比較的罪のないものから、パソコンのハードディスクの内容を全て消してしまうといった超悪質のものもあるようだ。
こういう悪質なものが全国的に伝染したら大変なことだ。インターネットどころか日本の産業も大打撃を受けるということも考えられる。
悪意を持ってウイルスをばらまこうという人間なら、こういうひどいものを作り出すかもしれないし、遊び半分でウイルスをまこうとする愉快犯だけでなく、社会の混乱をねらう凶悪犯や、国外からの軍事目的のネット侵略など、様々な事態も考えられる。(取り越し苦労ですめばよいのだが‥‥)
もちろん、国家的プロジェクトとして発足したメールマガジンだから、コンピュータについてトップレベルの知識を持つ人たちが担当しているだろうし、国の威信をかけてウイルスの侵入等を防ぐ手だてを行っていることだと思うが、ネット犯罪を狙う人種なら全力をあげて攻略してくるかもしれない。
この危機を回避するには、メールマガジンという形態ではなくホームページにしてもらうのが一番なのだが、国民一人一人に届くメルマガということでスタートした以上、簡単にホームページに切り替えるのも難しいかもしれない。メルマガというかたちである程度安定したら、ウイルス問題などが起きないうちに、ホームページに切り替えることをメルマガでお知らせしてスムーズに移行するのが賢明だと思うのだが‥‥
「首相のメルマガで国民の大半のパソコンがウイルス感染!」などという世界一の不祥事が起きないように、メルマガ発行のセキュリティに関わる人たちに頑張ってもらうとともに、購読者の方は「添付ファイルのついたメールは偽物です」という注意をしっかり心にとめて、ウイルス感染からの自衛を心がけなければならないだろう。
それにしても、180万人ものメールアドレスを1週間程度で入手したということ自体がすごいことだと思うし、そのデータが十分な配慮をもって守られることと悪用されないことを望む次第である(^^;)
<01.06.21>