卒業式まで約2ヶ月。卒業証書、卒業台帳などの準備の時期である。
今年の小学校の卒業生は少し特殊な学年である。生年月日を書くときに元号表記が3種類になるのだ。
4月2日から12月31日までに生まれた子供たちは「昭和63年生まれ」である。翌年の1月1日から1月7日までが「昭和64年生まれ」、1月8日から4月1日までが「平成元年生まれ」ということになる。
卒業証書には卒業生の生年月日を書くのが一般的である。私が勤務した学校では、これまでは証書にあらかじめ「昭和 年 月 日生」という文字を印刷していた。これに数字を書き入れて「昭和55年12月24日生」などとすればよかったのである。
ところが今年はそうはいかない。現任校で考えたのは次の3つの方法であった。
- 1.昭和・平成の部分は印刷せずに手書きにする。
- 2.昭和で印刷して、平成の場合は横線を引いて訂正する。
- 3.昭和と平成の2種類の証書を印刷する。
さすがに2番のように訂正線を引くといった見栄えの悪いことはできないし、1番の方法も書くときに手間がかかる。
そこで3番の「2種類の証書を印刷する」に落ち着いた。印刷の費用は若干増えるが、見た目がきれいなものにするには、やはりこれがいちばんかもしれない。
現任校の卒業証書は横書きである。また卒業台帳も横書きだ。そのときに「平成元年」と書くべきなのか「平成1年」と書くべきなのかも話題になった。
手もとにある日本語表記に関する本をいろいろ調べてみたのだが、きちんと「平成元年と書きます」(あるいは平成1年と書きます)という資料は見つからなかった。「文化庁発行、年号表記のしかた」などという、ちゃんとした文書があればよいのだが、あいにく見つけられなかった。
そうなると、公的な文書等でどう書かれているのかを参考にするしかない。手もとの法規集やインターネットで見られる官公庁のページなどを検索した結果、ほとんど「平成元年」と表記されていることがわかった。
はっきりした根拠がないのが少々不安ではあるが、昭和・平成等の元号の最初の年については「1年」ではなく、「元年」と書くということで間違いはないだろう。
もうひとつ話題になったのが、「では平成○○年度というように年度表記する場合にも、元年度と表記してよいのか」ということだった。
そう言われてみれば、「平成元年○○月○○日」という書き方が一般的だとはわかっていても、年度については「平成1年度」と書くのがしっくりくるような気もする。
そこで、これもインターネットで検索してみた。「平成1年度」としている例も少数あったが、大半は「平成元年度」になっている。やはり「元年度」でよいのだろう。
そういえば、今から10年以上前、入学式や卒業式では「平成元年度卒業者(入学者)」というようにした記憶がある。そのときもいろいろと調べたり論議したりした結果、「元年度」にしたはずなので、こちらも大丈夫だろう(^^;)
そういう視点で、校内の書類等を見てみると、若干ではあるが「平成1年」というように間違った(?)表記をしている例があった。記入した当時、学校全体として共通理解をしていなかったせいかもしれない。そういうものを見つけたら、今のうちに訂正しておくのがよいだろう。
<01.01.20>