おもしろハングル語講座
ハングル語とは、ご存じのとおり、韓国や北朝鮮の人々が使っている言語である。日本語と同祖であるという説もあるし、そうでないという説もあり、私にはよく分からないが、近親関係にあることは確かなようで、文法上の語順や動詞・助動詞の活用も類似しているとのことである。
サッカーワールドカップを共催したりすることもあるので、ハングル語に通じておくのもよいことだろう。
という私といえば、まるっきり知識がないのだが、ちょっと受けるネタがあるのでご紹介まで‥‥
ハングル語のラジオ放送などを聴いていると、特に印象的なのが「スムニダ」という言葉。おそらく日本語でいえば「です」にあたる助動詞と思われる。「スムニダ」という言葉のはずだが、速く発音するので、普通は「スミダ」と聞こえる。
以下は私のハングル語講座。(特にからかったり差別したりしている訳ではなく、受けをねらったものですのでご了承を)
ハングル語で、土曜日のことは「ハンブンヤスミダ」。日曜日は「ミンナヤスミダ」。
(文字だけではちょっと受けないかも。実際に発音してみるとけっこう面白いのですが‥‥‥)
というような上の文章を書いたのは、約2年前なのだが、最近になって、次のような内容のメールをいただいた。
簡単にいうと、韓国および北朝鮮で話されている言語を「ハングル語」と呼ぶのはおかしいのではないかということである。たしかに「ハングル」というのは文字そのもののことである。日本語でいうと「ひらがな」に相当するようなものである。
日本語を「ひらがな語」と呼ぶのはおかしいことはたしかだから、「ハングル語」というのもおかしいというご指摘であった。
注意深く見てみると、NHKでの言語講座でも「ハングル語講座」ではなく「ハングル講座」になっている。NHKのホームページ上での外国語番組紹介では「朝鮮語放送」というふうに書かれてあった。
そうなると、この文章のタイトル「ハングル語講座」は、たしかにおかしい。きちんというならば「朝鮮語講座」になるだろう。
ただ、「朝鮮語」だけでよいかとなると、ちょっとひっかかる。「韓国語」ではいけないのかということだ。それでもいいのだろうが、北朝鮮の方々からはクレームがつくかもしれない。
どうしても「ハングル」を使わないとなれば、「韓国語・朝鮮語」ということになるのだろうが、もともと1つの言葉を2つにして表現するのも妙である。
NHKの講座のように、「ハングル講座」とするのが、今のところいちばん無難なのかもしれないが、それだと「ひらがな講座」のようで、やはりすっきりしない。
ここでいちばん問題になるのは、同一の言語を話す(しかも民族的にも同じ)民族が、2つの国家に分かれてしまっているということなのだろう。ひとまとめにして「朝鮮語」と言いたいのだが、それぞれの国家に気をつかうと、そうとも言い難いということだろう。
しかし、こういう例は、考えてみるとまだまだたくさんありそうにも思う。
例えば「英語」。英語で言うと(^^;)イングリッシュなのだが、英語を話す人は英国人(イングリッシュ)だけではない。
ロシア語もそうだ。昔、ソビエト連邦だった頃から、そこで話される言葉を「ロシア語」と呼んでいたが、分裂した今、ロシア以外の国家でも同じ言葉をしゃべっていれば、やはり「ロシア語」である。
だからと言って、英語を「ローマ字語」ではおかしいというのも、もっともである。
単純に、「国家=民族=言語」というようになるのは、日本のようにごくわずかな国だけなのかもしれない。
というように、「ハングル語」というのが、私の勘違いな造語であるとすれば、この文章のタイトルも変更しないといけないかなぁと思い、検索エンジン等で探してみたら、「ハングル語」で検索されるサイトの数も膨大であった。(私の使っている日本語変換FEPでも一発で変換される)
まあ、これまで述べたように、本来の意味からすると「ハングル語」という言葉はあり得ないのだろうが、かなり一般化してきているということで、ここのタイトルそのものは、変更しないでみることにした。(それによって、いろんなご意見もいただけそうなので‥‥)
因みに、「ハン」というのは「偉大な」、「グル」というのは「文字」という意味だということなので、「ハングル文字」というのも、本当はおかしいのだそうだ。
<99.08.14>
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