アタゴ


 これも車で旅して感じたことなのだが。

 「愛宕」または「愛宕山」という地名が全国いたるところにある。

 「愛宕」に限らず「駒ヶ岳」「軽井沢」など同じ地名が全国に点在している例は多いのだが、山の形容や残雪の形が馬に似ているから「駒ヶ岳」とか、井戸とか温泉が出る沢だから「軽井沢」とか言うように、語源が地形などに由来する場合は、地理的特色が同じような場合は同じような地名がつくことは簡単に想像できる。

 ところが「愛宕」とはいったい何ものなのか私にはよく分からなかった。

 で、調べてみたら・・・・意外に簡単なことだった。つまり愛宕権現信仰に基づく地名だったのである。詳しいことは省略するが、「勝軍地蔵・泰澄大師・不動明王・毘沙門天」をまとめてまつり総称して「愛宕大権現」と称した京都の愛宕権現に由来すること。日本の古代信仰の国境(くにざかい)にまつる「境の神」(サエ【障】の神、サイ【賽、塞】の神)とも結びついていること。愛宕大権現の中の勝軍地蔵・毘沙門天は防火神として民間に伝播したこと。関東・東北地方には特に愛宕山および愛宕地蔵の祠(ほこら)の分布が多いことが分かった。

 まあ、調べて分かってしまえば「なあんだ、そんなことかぁ」でかたがつくのだが、本当はもっとオモシロイネタを期待していた私であった。

「江戸っ子だってねぇ。アタゴウよう!」(東京バージョン)とか、「花菱アタゴ」(大阪バージョン)とか‥‥オソマツ!



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