白髪大作戦
私は現在45歳だが、40代になって少ししてから「ヘアカラー」(白髪染め)を使っている。
私の白髪の本数は、今のところそれほど多くはない。
人間の髪の毛の本数は、10〜15万本なのだそうだが、私の白髪の本数は、せいぜい数百本というところであろう。遠目に見てはわからないが、近くで見ると、黒い髪の毛の中にところどころ白いものが数本ずつ混じっているのが見えるという程度である。
調べて見たら、白髪が生えてくる年齢は、平均的には35歳頃かららしい。また頭髪の5割程度が白髪になる平均年齢は55歳頃なのだそうだ。
これにはかなり個人差があるそうだから、早い人だと30歳前に白髪が生えてくるだろうし、人によっては60歳になっても黒々とした髪の人もいるだろう(髪そのものが無くなる人もいるだろうし‥‥)
40歳頃から白髪が数本生えてきたという私は、まあ平均的か、少し遅い程度なのかもしれない。クラス会で見る同級生などの中には40歳前から白髪の分量のほうが多いという人もいるし‥‥。
なぜ白髪になるのかは、まだよくわかっていないのだという。
毛髪の根元には毛乳頭(もうにゅうとう)という部分があり、ここで髪の毛が作られるのだが、その際にメラニンという色素を髪の毛の中に注入するような仕組みになっている。
この仕組みがなんらかの理由で働かなくなったときに白髪になるのだそうだ。老化や遺伝がその要素と考えられているが、はっきりした原因は明確でないのだという。
希に、白髪だった髪の毛が黒く戻ることもあるそうだが、普通は一度白髪になった毛は、ずっと白髪である。抜いたとしても、そのあとに生えてくる毛はやはり白髪なのだという。
「白髪はもとに戻らない」ということになると、一度生えてしまえば、あとはどうしようもない。
私の場合も自然のなりゆきにまかせるのがいちばんよいのだろうが、いっそ、かなり白くなってしまえば、それなりに雰囲気も出てくるが、黒い髪の毛の中に2・3本白い毛が混じっているというのは、あまり見た目がよくない。髪全体がどことなく薄汚れたような印象になる。
順調に白髪の本数が増えてくれればよいのだが(^^;)今のところ少し増えてきたかなという感じはあるものの、急激に増える様子もなく、ロマンスグレーにイメージチェンジするには、まだだいぶ年数がかかりそうである。
最初のうちは、白髪を見つけると抜いていたのだが、今の本数だと抜くのにはちょっと多い。ただでさえ前頭部の毛髪が不足してきた傾向のある私にとっては、数十本といえども自分で髪の毛を抜いてしまうのはもったいない(^^;)
「まあ、トシなのだからしかたがない。ここ数年は汚い感じに見えても、そのうちに白髪のほうが多くなれば年寄りらしい立派な風貌になるだろう‥‥」とあきらめてしまってもよいのだろうが、どちらかというと若づくりにしていたい私である(^^;)
上の子は大きくなったが、下の子はまだ小さい。「年寄りくさいお父さんというのもいやだろう」ということで、まずは白髪染めを使うことにしたわけである。
白髪染め(ヘアカラー)は髪を痛めるということもあるし、ごくわずかな白髪を染めるために、まだ健全な黒い髪にダメージを与える心配もあるので、年に数回しか染めないのだが、染めた時点では白髪が1本もないように見えるし、染めた白髪の色が少し落ちてきても真っ白にはならずに茶褐色に見える程度だから、とりあえずは若く見える(^^;)
ただ、問題なのは、この白髪染めをいつまで続けるかということである。
ずっと染め続ければ、70歳になっても80歳になっても黒い髪のままだろうが、それではちょっと不自然である。
50歳程度になれば、ある程度、白髪が混じっているほうが年相応に見えるだろうし、私もその頃になれば白髪の分量もちょどよい具合になりそうなので、だいたい50歳をめどに、自然の状態に戻そうかとも思っているのだが、そのタイミングが難しい。
白髪染めをやめれば、自然に色が落ちてくるし、白髪の部分の髪も伸びてくるので、2〜3ヶ月程度で真っ黒な髪から白髪混じりの髪に変えていくことができる。
ただ、他の人から見れば、数ヶ月の間に急に白髪が増えたという感じにも見えるだろう。かなり不自然な変化にも見えるかもしれない。
そこで、私が考えたのが、この文章のタイトルの「白髪大作戦」である(^^;)
これからの人生のうちには、けっこう辛い立場に立たされることがあるかもしれない。
それが、自分で望んだものなら弱音は吐かれないが、時として自分が望まないのに、そういうことになる場合もあるだろう。
私は、どちらかというと「カッコつけたい」タイプなので(^^;)あまり他の人に愚痴をこぼすことがない。でも自分の辛い気持ちを他の人にアピールしたくなることも、これからあるかもしれない。
そのときに役立つのが、染めて隠して大事にとっておいた白髪である。
そのときこそ白髪染めをやめればよい(^^;)
数ヶ月のうちに、真っ黒だった髪に白髪がたくさん目立つようになり、見る人は「ずいぶん苦労をしているんだろうなぁ」と同情してくれるだろう(^^;)
いつか絶大なる効果を発揮するに違いない「白髪大作戦」決行のために、ここしばらくは白髪染めを続けることを決意した私であった(^^;)
(そのときに髪がちゃんとあればの話だが‥‥)
なお、余談であるが、今回、白髪について調べてみたら、伝説のマリー・アントワネットや、あしたのジョーおよびホセ・メンドーサのように、一夜あるいは一瞬にして白髪に変わるということはあり得ないのだそうだ。
仮に毛根(毛乳頭)の部分が、精神的ショック等で全てダメになったとしても(これは現実にあるらしい)既に色素が入ってしまっている成長した髪の部分まで脱色されるということはないのだそうだ。精神的な大ショック等があったとしても、その日から伸びてくる新しい髪の部分が白くなるだけである。
一夜にして銀髪や金髪に変わってしまうというのは、いわゆる「ヤマンバ」現象である。ときとして、そういう娘を持つ親がショックのために白髪が増えるという現象もあるだろうが‥‥‥(^^;)
<00.02.12>
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