インターネット辞書



 インターネットを使いこなしている人には常識的なことかもしれないが、私は比較的最近になって知ったことなので、ご存知ない方にお裾分けというつもりで書いてみる。



 インターネットで情報収集をしている人は多い。私も、この「うんちく講座」を書くときに、辞書や百科事典などの書籍で資料を調べることも多いが、新しい情報や手もとに資料がない情報については、インターネット上で検索して資料を集めている。



 一般的な事項に関する情報は、インターネットで調べたほうが、新しく豊富な情報が集まることのほうが多いが、言葉の意味や使い方についての情報は、今のところ辞書などの書籍で調べたほうが確実なようだ。

 したがって、言葉についてのうんちくを書くときは、自分の部屋で辞書や百科事典などをめいっぱい広げて作業をするということが多いのだが、近頃になってインターネットが国語辞典としても使えることを知った。



 インターネットで事柄を調べるときには、「検索エンジン」と呼ばれるサイトを使う。カテゴリ別の検索の場合は「YAHOO」が有名であるし、キーワードで検索する場合は「goo」「Infoseek」などのロボット型検索エンジンを使う。

 「介護保険制度」とか「MP3」などという事柄についていろいろ知りたい場合は、ロボット型検索でキーワードを入力し、該当したサイトを読むのが効果的だが、「そこはかとなく」というような言葉そのものについて調べたいときには、その言葉をキーワードとして検索しても、なかなか必要な情報が見つからない。



 ところがインターネット上に立派な辞書があるのだった。

 ご存知の方も多いかもしれないが、その辞書は検索エンジンの「goo」上にある。正確に言えば、gooの「目的サーチ」の中の「国語辞典」というサイトである。



 これは、語に該当するサイトを検索して紹介するというものではなく、国語辞典のデータをそのまま表示するというもので、一般的なCD辞書のような機能をインターネット上で実現したものである。

 提供されている辞書データは、三省堂の「大辞林」なので、国語辞典として本格的な情報が提供されている。これと同じように三省堂では、エクシード英和辞典和英辞典のデータもgoo上に提供している。



 自分のそばに辞書がないときでも、インターネットに接続さえできればすぐに調べることができるわけだから、これは便利である。

 書籍として提供されている辞書の情報は、それを引用する場合に、ペンで書き写したり、キーボードでタイプしたりしなければならないが、インターネット辞書の場合は、必要な部分をコピーして、ワープロ(パソコン上で同時に起動しておいたもの)にペーストすることができるから、格段に効率的でもある。



 実は、私の場合、検索エンジンとしてのgooは毎日のように利用している。

 gooのページを開けば、これらの辞書はすぐ目につく場所にあるのだが、私はずっと見落としていた。ひょんな機会にある方から教えてもらって、こんな便利なものがあることに気づいたという次第である。



 いつも自分が使うパソコンから使用する場合は、ブックマーク(お気に入り)等に登録しておけば、すぐに使えるのだが、この機能は、自分のパソコン以外から使うときに特に便利である。

 自分のパソコンでない場合には、ブックマークに入っているとは限らないので、自分のホームページを持っている人ならば、リンク集などのページに、この辞書のサイトを登録しておけば、どこからでもすぐに使えるようになる。お試しいただきたい。

(他の検索エンジン等でもこのような機能があるところもあるのかもしれないが、私が見た範囲では、辞書サービスをしているのはgooだけであった)



 ここからは例によって余談だが‥‥

 辞書の他にも、私が手もとに置いて調べることが多いのが、「学校教育法」等の教育関係法規と、「学習指導要領」等の文部省から出された文書である。

 職場で使うことが多いので、書籍にまとめられたものは職場の机上に並べてあるのだが、自宅には置いていない。

 以前は2冊ずつ準備して職場と自宅に置いていたが、今は自宅でそれらを調べたい場合はインターネットを使っている。



 学習指導要領などは、文部省のサイトで見るのがいちばん確実なのだが、法令等も含めて教育に関する資料は、こちらのサイト「教育参考資料一覧」で調べるのがとても便利である。(このサイトは、あだけんさんの「島根の教育研究会」の中にある。あだけんさんのサイトは実によく資料がまとめられている)



 書籍でページをめくって調べるよりも、インターネットで調べたほうが、必要な情報をすばやく見つけることができるし、必要な文章を印刷したり、自分の文章に引用したりということができるので、使い勝手からみるとインターネットのほうが、はるかに便利である。



 辞書の例でも、教育関係資料の例でも、これまで分厚い本を準備したり持ち歩いたりしなければいけなかったものが、インターネットの端末だけで用が足りるようになった。

 検索のやり方や、情報の在処を知っておくだけで、大きな図書館を自分の側に置くのと同じような情報を活用できる。

 インターネット上には、エンターテインメント的に面白いサイトも多いので、そちらに目をうばわれるが、純粋な情報収集手段としても、インターネットは成熟してきているようだ。

<99.11.20>


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