電報なぎなた読み
言葉関係のホームページの中には「なぎなた読み」の話題を扱ったものもある。
「なぎなた読み」というのは、「弁慶がナギナタを‥‥」という文を「弁慶がな、ギナタを‥‥」と読み違えるといったもので、笑い話のタネとして面白い。
授業の中でもたまに見かける。
私の体験では、国語科で「吉四六(きっちょむ)話」を扱ったとき、話に出てくる武士が「あい、すまんが」と言った部分を「あいす、まんが」と取り違えて、「先生、アイス漫画って何?」と質問した児童の思い出があるが、要するに、本来切るべきでない部分で切ってしまったために別の意味になってしまうような読み方のことを「なぎなた読み」という。
現在では「漢字電報」といって、漢字やひらがなで書かれた電報のほうが一般的だが、昔は電報といえばカタカナだけで、しかも句読点がないのが普通だった。
これだと、いわゆる「なぎなた読み」の間違いも起きやすい。
葬式のときのこと。
故人の親戚のおじさんが弔電を紹介する係を言いつけられた。
結婚式の祝電ならば、ある程度前もって目を通しておく余裕もあるが、葬式となると他の準備なども忙しく時間の余裕もないし、葬儀の直前に届く電報もあるので、弔電を紹介する係というのは、けっこう難しい仕事である。
まして、昔の話、カタカナ電報を読むことになったおじさん、ときどきつっかえたり口ごもったりしながら、弔電を紹介していた。
数枚目の弔電には次のように書かれていた。
「○○サマノゴセイキョヲイタミツツシンデオクヤミモウシアゲマス」
(○○様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます)
これを、おじさん、見事になぎなた読みしてしまった。
「○○サマノ ゴセイキョヲイタミツツ シンデオクヤミモウシアゲマス」
(○○様のご逝去を悼みつつ、死んでお悔やみ申し上げます)
ここで「おあとがよろしいようで」と結べば、ちょうどよい長さの「うんちく」になるのだが、必要以上の長文を常とする私のこと。もう少しオマケがある(^^;)
実は、このネタ、人から聞いたハナシで、しかもその人も、もともとはテレビで見たギャグだという。
そうなると、このネタはギャグの無断転用ということになり、著作権に触れるかもしれない。
ところでギャグに著作権というのはあるのだろうか?
実は、次のギャグは、私がラジオ番組で聞いたものである。番組を聴いている一般の人からの投稿ギャグなのだが、それをこうやってホームページで文章にするというのは、どんなものだろうか。
放送した局に著作権があるということになれば、簡単に私が書いてしまうのも問題なのかもしれないが、面白いハナシだったので、ここに書いてみたい。こういう場合の著作権の問題について、ご存知の方は、掲示板やメール等でお教えいただけると幸いである。(問題があればすぐに削除するつもりですので)
わりに大きなスナックバー(うーん少し古い呼び方かな)、カウンターに若い男が座った。
馴染みのバーテンが小声で男に話しかける。
「最近、結婚したんだってね。どう新婚生活は?」
若い男が、これも小声でバーテンに応える。
「どうもこうも、全く最初から‥‥」
ここで声を大きくして
「かかあ天下!」
バーテンと若い男は、声を出して笑い、バーテンはいつものカクテルを男に差し出す。
この2人から少し離れたカウンターに座っていた中年の男。しばらく2人の様子を見ていたが、それからしげしげとメニューを見なおした。
そうして、別のバーテンになにやらささやいた。
ささやかれたバーテンは、ちょっとおかしそうな顔をして、若い男が飲んでいるのと同じカクテルを、中年の男に差し出した。
少しして、中年の男の相手をしていたバーテンが、若い男のほうに近づいてきて、そっとささやいた。
「あのおじさん、『かかあ天下』というのをカクテルの名前と勘違いしたらしくて、『メニューにはないけど俺にもそのかかあ天下というのをくれ』って言うんですよ」
それを聞いて、若い男とバーテンは調子に乗りだした。
「じゃあ、次は何をお飲みになります?」
「そうだなぁ‥‥『健康サンダル!』」
すると、おじさんも小声で「俺にも『健康サンダル』を」
中年相手のバーテンは、すかさず「はいっ!『健康サンダル』」
「えーと、次はねぇ、『忍者ハットリくん』」
「俺も『忍者ハットリくん』‥‥」
ということで、夜は更けていった‥‥というギャグ。
私はかなり面白かったのだが、いかがだろう(^^;)
<99.11.16>
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