これは既に新聞のコラムやらテレビやらでいろんな人が触れているので、私だけのオリジナルな意見ではないかもしれないが・・・
スーパーマーケットのレジの女の子が、申し合わせたように「○○円からお預かりします。」という言い方をするようになったのは、確か2年程前のことのように思う。
なにげなく聞いていると耳あたりはいいが、よく考えてみると実に変な言い方である。
支払わなければならない金額が630円のとき、きちんと630円を差し出しても、彼女たちは「630円からお預かりします」と言う。べつにこちらが千円札を出しているわけではないのである。仮に千円札を出したとしても、その場合には「1000円からいただきます」と言うのが普通で、「1000円からお預かりします」は明らかにおかしい。まして630円を請求されたときにそのとおりに硬貨を出したのであれば、おつりを返す必要もないのだから「630円からお預かり」してもらう必要などなにもないのである。
すなおに言葉の意味から考えると、「630円からお預かりします」と言われたときには、レジのお嬢さんは、お客である私からお金をもらったのではなく、「630円」様からお金を預けられたことになるだろう。
どこからこんな言葉づかいが流行りだしたのかは分からない。どこかの外資系のスーパーマーケットの会長でもが命令を出したものか、それともレジのお嬢さんたちが「なんとなくかっこいい」とでも思って、真似をして使うようになったものか・・・・
いずれにせよ、日本語がぐちゃぐちゃになってきている一つの例であることは確かである。