私の尊敬するある校長先生から面白い話を聞いた。
若い教師数名が会議の資料の製本作業をしようとしていた。そのうちの1人が「じゃあ準備もできたから、このページ順で良いか責任者の先生に確認してこよう」と言った。すると他の1人が「ページ番号も印刷されているんだから、この順番でいいに決まっているだろう。俺たちだけでもできるからやってしまおうよ」と言ったのだそうだ。
ちょうど、それを聞きつけた校長先生が、「これは面白い」と思って、こんなふうに言ったのだそうだ。
「君たち、ちょっと自分の右手と左手を組み合わせてみてくれないか」
若い教師たちは、それぞれ自分の右手と左手の手のひらを合わせ、指を組み合わせた。
すると、「責任者に確認しよう」と言っていた教師たちは、右手の親指が上になるような組み方をし、「俺たちだけでやってしまおう」と言った教師たちは左手の親指が上になったのだそうだ。
この校長先生は、ちょうど、右脳と左脳についての本を読んだばかりだったそうだ。
その本によると「人間の行動は思考が右脳型か左脳型かによって大きく異なる。左脳型は、論理的なものを重視し、上司からの指示を尊重するようなタイプで『指示待ち』の傾向もある。右脳型は直感的で、自分の感覚を最重視し、場合によっては『独走型』の行動をとることもある。右脳型か左脳型かを判断するのに決め手があるわけではないが、実験してみたところ、統計的に、手を組み合わせたときに、どちらの親指が上になるかということと関係がありそうだ。一般的に、親指が上になった方と逆の側の脳が働いているというデータが出ている」とあったのだそうだ。
はたして、この本に書かれているように、手の組み合わせ方で「右脳型・左脳型」が判断できるかどうかは半信半疑ではあるが、たしかに、こういうようなタイプの違いというのはあるような気がする。
そこで、インターネットで、右脳・左脳に関する情報を探してみた。以下に紹介するのは、そこで見つけた情報である。
まずは「神奈川県保険医協会健康テレホンサービス」というHPで見つけたものである。
日本人はモーレツ人間として左脳を使いすぎているので、右脳も遊ばせないで、脳のバランスを回復させようということで「右脳革命」という言葉がしきりに登場しています。
大脳は右半分と左半分に分かれていて、各々身体の反対側の動きを支配していることはご存知と思います。1981年にノーベル賞を受賞したスペリーは、この左脳と右脳を連いでいる神経繊維の連絡路を切ってしまうと各々特長を持った脳のバランスある働きを失ってしまうことを証明しました。
大脳左半球は優位半球または言語脳と呼ばれます。身体右半分の運動や知覚を支配する他に、言語を理解する中枢があります。その上数字の処理や記憶、機械的・記号的なものの分析や組立、これらを相互的、総合的に処理するために優位の働きをしています。
一方、右半球には視覚的、空間的問題を処理する機能があって、迷路からぬけ出したり、周囲の環境を理解したり、複雑な形を整えたり、物を空間に配列する機能が優位に備わっています。
分析力や論理構成は主に左半球で、直感力や感受性は主に右半球で支配されているのはどうも本当らしいといってよいかと思います。
左・右脳のかけ橋が切断されてしまうというのは、一時てんかん患者に手術が行われた時代のことで、現在では反対側の脳を全く使わないとか、別個に分れて働かせることはないのが普通です。左脳型とか右脳型という表現は、その時々でどちらを主に使っているかという風に解釈した方が安全です。その意味で理性的人間と感情的人間や垂直思考人間と水平思考人間と同じような分類といってよいかと思います。左・右脳のかけ橋は2歳位迄に完成されてしまいます。幼少時に豊かなバランスよい感性をみがく環境造りが大切であることを忘れないで下さい
こんな情報もあった。
一般的に人間の左脳は言語、概念、論理的思考を司り、右脳はイメージ、図形、空間パターン認識力などを司るといわれています。この右脳が開花すると想像力、速読力が身につくほか、勘が鋭くなります。
一般に棋士と言われる人は碁や将棋の盤面をイメージで記憶しています。将棋で史上初の7冠王という偉業を成し遂げられた羽生善治氏は、右脳を使って局面の判断をしていると言われています。
天才と言われる人々は右脳の発達が早い幼少期から右脳を鍛えてきたと考えられます。
こんなふうに整理された情報もあった。
左 脳
右 脳
脳の性格的な違い
言語脳
優位脳
論理的(ストレス脳)
理性(デジタル的)
イメージ脳
劣位脳
直感的(リラックス脳)
感性(アナログ的)
学習的な違い
顕在意識(意識)
理解・記憶を求める
段階的に少量ずつ受け入れる
低速で受け入れる
直列処理する
手動処理
意識処理
潜在意識(無意識)
理解・記憶を求めない
一度に大量を受け入れる
高速で受け入れる
並列処理する
自動処理
無意識処理
右脳型・左脳型の人数バランスはどうかと調べてみたら、次のようなものもあった。(速読法のCM用HPの文章で「おそらく」という表現があるので少し信憑性が低いが‥)
現代人を右脳型と左脳型に分類すると、おそらく一割が右脳型、四割が左脳型で残りの五割がどちらともつかない中間型といえるでしょう。現代は教育の在り方から考えても、論理的な思考が求められる時代ですから、中間型の人たちは右脳訓練をしない限りどんどん左脳型になってしまいます。
私自身はどうかというと、右手の親指が上であった。ここまでの文章の流れにしたがえば「左脳型」である(^^;)
他の人たちと話してみたら、私のことを「右脳タイプ」だと思っていた人が多かったが、自分では左脳タイプで間違いがないと思う。特に「方向オンチ」という点では、完全な左脳型だ(^^;)
ただ、私が調べてみた範囲では、左手の指が上にくる人の方が、かなり多かった(私の家族は私以外の全員がそうだった)
手の組み方だけで判定できるものだとは思わないが、こういう視点で見てみることも面白いとは思う。