古いパジャマ
特別に「うんちく」ということもない駄文で恐縮だが‥‥
私は、あまりお洒落なほうではないが、毎日着るワイシャツなどは古くなってくると少し気になる。机の上での仕事が多いので、袖口などすり減ったり汚れたりしがちなのだ。
ていねいに洗濯をしても、長い間使っているとくたびれた感じになるので、そのときはもったいないが廃棄処分ということになる。
ところが、パジャマは気がつくと十年近くも同じ物を着ているということがある。
生地もくたくたになり、袖のあたりがすり切れたり、ズボンのゴムがゆるくなったりしているのに、まだ捨てないで着続けているということが、よくあるのだ。
パジャマはそんなに高価なものでもないし、タンスにはまだ袖を通していない新しいパジャマがいくつも入っているのに、古いパジャマを捨てないで着続けてしまっている。
「このパジャマも、もう古くなったから、そろそろ捨てよう」と考えるのだが、朝起きると、ついゴミ箱に捨てるのを忘れ、習慣で洗濯機に放り込んでしまう。
洗濯が済んでたたまれてくると、また、つい着てしまうという繰り返しだ。
捨てるのを忘れてしまうというのも1つの理由だが、その他に、着古したパジャマは、実際に着てみると肌に馴染んで気持ちがよいというのも、捨てられない1つの理由かもしれない。
新品のパジャマは、どうも寝たときに気持ちがよくない。適度に古くなったパジャマのほうが柔らかさもあるし、汗の吸い取りも良い感じがするのだ。
パジャマは、人に見せるものでもないので、少々すり切れてきてくたびれた感じであろうと、自分の肌に気持ちがよければ、それでじゅうぶんなのだ。
そこらへんが、人の目を気にしなければならない日中に着る衣服とは違っている。肌に馴染んで、身体をリラックスさせることができて、暖かければ(夏は逆のこともあるが)、見た目は関係ないというパジャマが、衣服の本質なのかもしれない。
人間もパジャマと同じなのかもしれないが‥‥。
それに‥‥
どうも、長い間、親しんできたものを捨ててしまうというのは、あまり気持ちのよいものではない。古くなったパジャマや下着、ワイシャツなどをゴミ箱に捨てるときは、とても悲しい気持ちがする。
衣服とはちょっと違うが、新車を買ったとき、下取りに取られて行く自分の車を見送るときなどは、仕方がないとは思っていても、涙が出そうになる。
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