十年近く前、自然教室という行事で自分の学級の子供たちとかなり長い距離を歩いた。7月の末のとても暑い日、炎天下の道を歩き続けた。前の日はテント泊で寝不足であり、足どりも重く、子供たちは次第に無口になっていった。
そのとき一人の子供が、「先生、スズメのクイズ知ってる?」と話しかけてきた。
「電線にとまっていたスズメに鉄砲をうったら、ちゃんと弾が当たったのに落ちてこなかったんだって。どうしてだ?」
「分からない・・・」「スズメの根性なんだって」「・・・・」 ・・・・・スズメギャグ1
「電線にとまっていたスズメに鉄砲をうったら、一発しかうたなかったのに二羽落ちてきたんだって。どうしてだ?」
「分からない・・・」「スズメの友情なんだって」「うっ・・・」 ・・・・スズメギャグ2
これで子供たちの顔に生気がよみがえった。私がこれに応えて新作を発表した。
「スズメがたくさんいたとき、あるスズメが何か叫んだら、みんな前に歩き出したんだって。何て言った?」
「うーん」「ススメ!(進め)」「アッハッハ」 ・・・・・・・・・・・・スズメギャグ3
「スズメが突然、目が見えなくなったんだって。どうしたの?」「スズメイ(失明)」スズメギャグ4
(これは秋田訛りでないとわかりにくい)
「スズメが言い争っていたよ」「お前なんかスンズメェ(死んじまえ)」・・スズメギャグ5
こうやって、夏の道を歩き続ける教師1名と子供たちは次々とスズメギャグを創り出していった。もちろん、休みなくギャグが出来ていったのではない。無言で考え続ける時間がしばらく続き、やがて誰かがポツンとギャグをつぶやく。もう、長い道のりも苦ではなかった。
それから今日まで、私と私の教え子たち(私はこのネタを何度も使っているので)は、淋しいとき悲しいとき暇なとき、スズメギャグを追い続けている(かもしれない)。
次のページからは、そのスズメギャグを連発してみようと思う。