少々お待ちくださいますか



 どこで聞いた話だか、ちょっと覚えていないのだが、ある企業では、かかってきた電話を社内の人間に取り継ぐときに、「ただいま取り継ぎますので、少々お待ちくださいますか」と言うように、社員教育をしているのだそうだ。

少々お待ちくださいますか?


 私も同じようなことを毎日やっているのだが、振り返ってみると、「少々お待ちください」と言っている。

 考えてみれば、「お待ちください」というのは命令である。私の場合、そう言って、相手の返事も聞かないうちに電話の保留ボタンを押し、取り継ぎをしてしまっている。

 多くの職場では、私と同じ対応をしているのではないだろうか。考えようによっては、相手に失礼だと言えなくもない。



 そこで出てきたのが「少々お待ちくださいますか」という言い方なのだろう。たしかに、この言い方だと、相手の立場を尊重することになる。相手の人が待ちたくないのなら「いいえ!」と言えばいいのだ。

 もっとていねいにしたバリエーションもあるらしい。
 「少々お待ちいただけますか
 「少々お待ちいただけないでしょうか
 まあ、ていねいではあるが、こうなると電話をかけた側に「はい」という返事を強要するようで、少し押しつけがましい感じもする。



 ということで、私も、「少々お待ちくださいますか」を試みることにした。

 ところがこれがなかなか言いにくい。実際の場になるとつい「少々お待ちください」と言ってしまう。

 電話をかけてきた人も、「お待ちくださいますか」などと言われると、面食らってしまうかもしれない‥‥。うまく言い方を切り替えることのできなかった私は、そんなふうに考えて、今までどおりの言い方で通すことにした(^^;)

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