授業のヒント(2)外人用地名

 学級担任をはなれて6年以上にもなるので、しばらく修学旅行に行ったことがなかったが、教頭になって、今年久しぶりに団長として修学旅行に参加した。

 バスで仙台方面に行ったわけだが、高速道路を走っているとインターチェンジやパーキングエリアなどを示す地名表示に漢字と併せてローマ字が使われていることに気がつく。「相去」(AISARI)・「金成」(KAN−NARI)・「志波姫」(SHIWAHIME)・「大和」(TAIWA)など、東北の地名は読み方が難しいので、ローマ字表示は日本人にとってもけっこうありがたい。

 このことを6年生に話すと、あまり気づかなかった子が多かった。中にはローマ字を読めない子もいたが・・。

 「どうしてあんなふうにローマ字で書いていると思う?」「外人が旅行するときに分かりやすいようにじゃない。」「じゃあ、君たちの住む大内町にもあんなふうにローマ字で地名を書いてあるのがあるかな?」「たしか駅の看板はそうだったと思うし、国道沿いにもあんなのがあったような気がする。」

 ここからけっこう面白い学習活動が始まりそうだ。まず家に帰ったら、近くの道路の地名表示を調べる。できればグループで分担を決め、家族にも手伝ってもらって(車に乗せてもらうなど)自分の町の地名表示がどうなっているか調べる。カメラやデジカメを使って資料収集するともっとよい。これらの表示は基本的には外国人を対象とするものだから、役場などに行って自分の町に外国人が年間どのくらい訪れているか、どんな人が来ているのか等を調べる。またその地名表示が本当に外国人の役に立っているのかを確かめるため外国人の立場になってローマ字表示だけを手がかりに目指す地点までたどりつけるかを実験してみる。(実際にはローマ字表示が小さすぎて、走る車からは見えないなど問題点も見つかるはずだ。)

 自分のふるさとを新しい視点から見直す「ふるさと学習」になるだけでなく、国際理解教育や、国語のローマ字の学習をもう一度実践的に行うことになるなど、「生きる力」を育てる総合的学習になると思うのだが・・・



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