ジョン・レノンの夢



 大手銀行などの合併が相次いでいる。

 深刻な不況の中、合理性を追求すれば当然なのかもしれない。

 1つの都市に2つの支店を置くより、1つにまとめることができれば、経費も大幅に削減できる。

 これからは地方自治体なども合併を考えたほうがよいかもしれない。私の住む町のように人口が5千人そこそこの町に、10数人も議員を置き、役場でもひととおりの部署にもれなく人員を配置し、どこの町でも同じようなちっぽけな観光施設などを作ったりするより、4つ5つの町が合併して、1つの町としてやっていくほうが、ずっと無駄が少ない。


 こんなことを考えているうちに、ふと、自分が小学生の頃に考えていたことを思い出した。

「もし世界が1つの国だったら、戦争に備えての軍事力は必要がなくなり、それに使っていた経費を福祉などのために向けることができるのに‥‥」

 小学生の頃は、これが素晴らしい考えだと思っていたのだが、だんだん世間(世界)のことがわかってくると、そんなことはできるはずもない幼い考えのような気がしてきて、次第に頭の中から消えてしまった。

こんにちは、ジョン・レノンです!
 そんなふうに大人になってしまったのだが、
 一度だけ、はっとさせられたことがあった。

 ジョン・レノンの「イマジン」を聞いたときだった。


 国境のない世界を想像してごらん

 全ての人々が1つの世界に住む

 人は僕のことをドリーマーを呼ぶかもしれないけど‥‥

 私が20歳前後の頃だったと思う。

 私より15歳近く年上の、いい大人が、子供が考えるようなことをまじめになって訴えている‥‥

 ジョン・レノンってすごいなぁと思うと同時に、自分のものの見方がみずみずしさを失ってしまっていることにどっきりしたものだった。


 世界の政治や経済の仕組み等を知ると、「世界の平和を維持していくのがいかに難しいか」などとうんちくをたれたくなるが、子供のような素直な気持ちで考えてみれば、人間が人間を信じられないために、武器を持たなければ生きていけないということの愚かさに簡単に気づく。

 ジョンがいうようなことに、世界の人々が同時に目覚めれば、「ひとつの世界」も夢ではないはずだ。

 利益を追求するための統合もいいが、平和のための統合もできたら‥‥と、子供の頃の気持ちを思い出す私であった(^^;)

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