アニメソングCM入り


 近頃はテレビアニメのテーマソングから大ヒット曲が出ることも多い。そのためか、かなり有名なミュージシャンの曲をテーマ曲に使うアニメ番組もあるが、アニメの内容とテーマ曲の内容が無関係な例も見られるようだ。

 その点、私が子供だった頃のアニメのテーマソングは、そのものズバリだった。

 「鉄腕アトム」のテーマソングは、きちんと「鉄腕アトームー!」と歌っている。(近頃ではアニメのタイトルをちゃんと歌っているテーマソングは「サザエさん」ぐらいではないか? もっともサザエさん自体が昔からの番組なのだが‥‥)

 その頃のアニメテーマソングの中には、主人公の名前だけではなく、提供スポンサーの社名まで歌い込まれているものがいくつかあった。

これは手描きだから著作権の問題はないんじゃないかな? ディズニー・アニメの「ライオン・キング」がパクったなどと言われる「ジャングル大帝」(手塚治虫作)もそうだった。

 「♪立て! レオ! パンジャの子 ジャングル大帝」という歌詞のあとに、「サンヨー電機!」というフレーズが入っている。

 どんな曲だったか思い出せない方や、聴いたことがない方は、レオの絵の下のMIDIプレーヤの再生ボタンをクリックしていただけば、曲が鳴るはずである。


 この手のテーマソングはかなりあったように思う。「風の藤丸」という忍者マンガは、「藤沢薬品」がスポンサーであったが、このテーマ曲では、最後の部分に「藤沢、藤沢、藤沢薬品!」というフレーズが入っていた。

 子供の頃の私たちが、アニメのテーマソングを歌うとき、最後の部分まで歌わなければ完結しないわけだから、いやでも企業名を歌うことになるわけである。なかなかうまく考えたものだ。

 まあ、これほど極端な例は少ないのだが、アニメとスポンサーはきちんと関係づけられて、私の記憶に残っている。

 「鉄腕アトム」と明治製菓、「宇宙少年ソラン」と森永製菓、「8(エイト)マン」と丸味屋食品etc。スポンサーの企業でもアニメのキャラクターと結びつけた商品を出していたようだ。

 アニメではないのだが、スポンサーのイメージがとても強かったのが「プロレス中継」であった。

 試合開始に先立って、和服姿のお嬢さんたちが、プロレスラーに花束を贈る。すると悪役レスラーは必ず花束で正義派レスラーに殴りかかる。散った花びらなどでちらかったリングを清めるのが、三菱掃除機『風神』!!

 これは、レフリーの「沖しきな」さんのシャツがビリビリに引きちぎられるのと同じように、プロレスの定番イベントで、三菱掃除機『風神』が登場しないと、プロレスを見たような気がしなかったものだ(^^;)

 この頃は番組とCMの関係はほとんどないし、CM自体、何の商品の宣伝をしているのかわからないものも多い。それはそれでよいのだろうが、商品および企業の宣伝というCM本来の目的からすると、昔(30年以上前)のテレビ番組の方が、今よりずっと目的を達成していたような気もする。


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