意味はというと‥‥‥ 実は標準語ではこれにあたる言葉がない。
方言も標準語で言い換えることができ、語源もはっきりしているものが少なくない。例えば私の地域では「とじぇね」という言葉があるが、これは「ひとりぼっちでさびしい」という意味であり、古語の「徒然なり」からきているようだ。
ところが「しね」はどうも分からない。具体的な例をあげてみればご理解いただけるだろうか。
年とった鶏の肉がある。これを肉うどんに使ったとしよう。肉を噛むと若鶏の肉とは違ってなかなかザクッと噛み切れない。固いと言うわけでもないのだが、どこか筋張っていて、ゴムのような歯ごたえで、口の中で小さな断片にならないので、飲み込むわけにもいかない。
このようなときに、「この肉、しねなぁ」というのである。
この文章をお読みの方の地方には、これにあたる言葉はあるものだろうか?。どうも標準語にはないように思えるのだが。
秋田市や本荘市の人に聞いてみたら「しね」と言うそうだが、私は小さい頃から「しんね」と言っていた。由利町ではこれが一般的なようだ。私の息子(高2)は「芯ない」が語源ではないかと言っている。昔はあまり肉を食べなかっただろうから、肉の状態を直接に表現する形容詞ではなく、植物などで表皮は固いが芯がなくてサクッと噛み切れない様子を表現したものからきているのではないかと言うのが彼の説である。これだと、由利町で言っている「しんね」の方が語源にちかいことにもなろう。
いずれ、はっきりした根拠はなく推論だけである。どなたか面白い情報をお持ちの方は、下記でメールを!