音楽派なら、これからはSoundVQ

 MIDIの高品位の音で曲を鳴らすのもいいけれど、私のようにもともとVOCAL担当の人間にとっては、唄が入っていない曲は、とても淋しい。

 そこで、唄を入れた多重録音版をインターネットで公開しようと考えたわけだが、音声再生で一般的に使われている「リアルプレーヤー」でやってみたら、かなり不満であった。音質を、ある程度、維持しようとすると、ファイルサイズが巨大になる。ファイルを小さくすると情けない音になる。

 この問題を一気に解決してくれたのが、YAMAHAが開発した「SoundVQ」である。リアルプレーヤーが作る最低音質のファイル程度のサイズで、高品位の音質を再生できる。もちろんダウンロードしながらのストリーム再生にも対応している。

まずはデモ曲(「春の海」宮城道雄作曲)で聴きくらべていただきたい
ファイルの種類
ヤマハ「SoundVQ」
の音を聴く
リアルプレーヤー
(低音質)の音を聴く
リアルプレーヤー
(高音質)の音を聴く
ファイルサイズ
300KB
210KB
417KB
音質の順位



ファイルサイズ順位



※音源にしたWAVファイル(4398KB)は共通。アレンジ&MIDI化は佐々木彰
ヘッドフォンやオーディオスピーカーで聴くと違いがよくわかる。

 私が生音再生のために、標準的な「リアルプレーヤー」を敢えて使わず、「SoundVQ」を使ったのは、このような理由からである。まだ「SoundVQ」をインストールしていない方は、左のフレームのボタンをクリックするとダウンロードできる。

 一度使うと、もうリアルプレーヤーを使う気にはならない。(ビデオを使う場合は別だが‥‥‥)

 今後、インターネット上の音楽再生では、この「SoundVQ」が、世界的にもかなり大きな勢力になっていくのでは、と思う。


 と、上の文章を書いたのが7年も前のことだが、残念ながらSoundVQはそれほど普及していない。(同じファイル形式で「TwinVQ」と呼ばれるようになったが)

 私の「Akira's コンサート」での生音配信も、時代の趨勢に合わせて「MP3」でも行うようにしたが、同じ程度のファイルサイズにする場合だと、SoundVQの方が圧倒的に音が良い。ただし、どちらの場合もISDNなどの通信速度が遅い環境を前提としてサンプリングレートをぐっと低くして小さなサイズにしてある。ADSLやBBなどのような高速通信環境ならデータをあまり圧縮しないで高音質再生を前提としたファイルにするほうがよいだろう。その分、ファイルを置くプロバイダのサーバ容量を大きくした契約が必要ではあるが‥‥。