「うんちく講座」一時休業のご挨拶



病気で倒れたこと

 平成15年(2003)12月25日、私はクモ膜下出血で倒れました。この病気は俗に「3分の1ルール」と言われるように、発症した3分の1の人は亡くなり、3分の1の人は後遺症が残り、あと3分の1の人が社会復帰できるそうなのですが、私は運良く、最後の3分の1に入ることができました。

 忘年会の二次会で具合が悪くなり、すぐ病院に駆けつけ、適切な処置を受けたことが良かったようです。病院の方々には本当に感謝申し上げます。また職場の皆様にも大変な迷惑をおかけしました。そして何よりも全身全霊で私を看病してくれた家族にはどんなに感謝しても感謝しきれるものではありません。


ホームページを休んだこと

 病気休暇は3月の下旬で切れました。体調はかなり回復したのですが、年度末・年度初めの多忙期に仕事に戻るには、まだ復調は不十分な感じでした。そこで病気休暇を数ヶ月延長することはできないか伺ってみたのですが、不可能とのことでした。休む場合は休職ということになります。教諭等の場合は代替の講師等を配置して、数ヶ月単位の休職も可能なようですが、教頭の場合は代替講師を配置することはできないので1年間の休職ということになるのだそうです。

 1年も休むことには、かなり抵抗がありましたが、すぐに職場に出るか、1年休むかのどちらかしか選択できない状況でしたので、自分の身体のことを考えると休むことを選びました。休むのですから1年間無給でもしょうがないと思ったのですが、休職の場合、満額ではないけれどもかなりの額の給与をいただけることがわかり、ずいぶん助かりました。

 病気で倒れるまでは、ホームページ「面白半分」を6年半ほど続けて書いていました。「うんちく講座」などに月に数個のネタを書いていました。その作業や、掲示板の書き込み、メールの返信などで夜遅くまで起きていることが多くありました。缶ビールを片手に、タバコを吸いながらの夜更かしでしたので、その不摂生が病気に結びついてしまったのかもしれません。

 病気をしてからは、タバコはもちろんやめなければならなくなりましたし、お酒も夕食時に小さな缶ビールをひとつ飲む程度になりました。夜更かしもやめて、睡眠をきちんととるようにしています。

 そのこともあって、インターネットをやる時間は少なくなりました。病気で休職している人間がホームページで新ネタをアップし続けるのもどうかということで、とりあえず、休職中の平成16年度はホームページの更新を停止することにしました。(ということで、平成15年12月から、このホームページの更新は止まっていたわけです)


気づいてみると

 そうしているうちに、平成16年度も終わり、平成17年4月になって、いよいよ現場に復帰することになりました。教委のほうでも私が病後ということに配慮してくださって、これまでの規模が大きく遠距離だった学校から、比較的規模が小さく、通勤しやすい学校に配置換えをしてくれました。

 それでも年度初めは、やはり仕事に慣れるのに必死で、ホームページの再開に向ける余裕はありませんでした。ただ、職場で働いているうちに気づいたことがありました。それは、自分がバカになっていることでした。

 1年半近く、職場から離れていたのですから、感覚が鈍ってしまったのはたしかなのですが、それだけでは片づけられないほど、理解力や思考力が落ちていたのです。仕事で目にする文書を見ても、その内容がすっと頭に入ってこないのです。とりあえず文字は読めるのですが、文字が意味している意味や文章が表現している内容を、体系立てて理解するのが、とても難しいのです。

 病気をする前はそうではなかったはずなのです。文章を読んでも、人の話を聞いても、もっと簡単に理解できたはずなのに、今はそれがとても大変なのです。

 同時に、自分で文章を書いて表現することも、とても下手になっていました。論理的に組み立てた文章などを書こうとすると長い時間がかかるし、時間をかけても仕上げられないこともあるのです。ひどい例だと、退院後すぐ、お礼の手紙を関係の方々に出したのですが、その文章を見返してみると、全く教養のない人間が書いた文章のように稚拙なものでした。

 そういえば、病気で倒れて、意識が戻ってから間もない時期、記憶力がすっかり落ちていることを認識したことがありました。人の名前などがどうしても思い出せないのです。やっと思い出しても、また数時間たつと忘れてしまっているということもありました。

 私はクモ膜下出血で倒れても、運良く後遺症もなく社会復帰できたわけですが、全く何事もなかったわけではないのだ……と、あらためて思いました。病気をしたことは事実で、脳にトラブルがあったのですから、何らかの機能がダメになっているとしても無理はないのです。

 記憶力や論理力の減衰など、少しずつ回復してきてはいるようですが、病気前よりは明らかに劣っています。(年齢的な衰えも加わっているようですし)


リハビリも兼ねて

 ただ、脳梗塞などで半身不随になった人が、リハビリで機能回復を行っているように、私もあれこれと思いつくことを書くことで、ボケかけてきた頭をリハビリすることができるかもしれません。そこで遅ればせながら、ホームページを書くという活動を再開することにしました。

 あくまでもリハビリですから(^^;)夜更かしして根を詰めて、また病気になるようなことは避けたいと思います。そこでタイトルのように「ぽつりぽつり」という感じで書き進めたいと思いました。

 実は休職している間に、インターネットの接続環境が変わりました。町(その後、合併で市になりましたが)が光ファイバーを整備し、それに接続できるようになったのです。それまではISDN回線で地元の一般プロバイダに接続していました。そのプロバイダのサーバにホームページのファイルを置いているので、契約は解除せずに続けていますが、接続手段としては使わなくなりました。ところがサーバに置いているファイルを更新する際には契約しているアクセスポイントから接続している状況でないとFTP作業ができないため、いちいちネットワークの線を接続し直さないといけません。(高速な光ファイバーから低速なISDNに接続し直すということ)

 契約は解除していないわけですから、その面倒な作業さえ厭わなければ、ホームページの更新は可能なわけですが、正直なところかなりやる気が失せる状況です。気楽に「ぽつりぽつり」書いていこうかというには、だいぶ悪い環境になっていました。


ブログでいこうか

 するとインターネットの世界で「ブログ」がブームになっていることを知りました。ブログとは「ウェブログ(Weblog)」の略なんだそうで、日記サイト的なホームページを指すようですが、何よりも大きな特徴は構成が1枚物の大きなページで、特別なホームページ作成ソフトを使わずに、ブラウザから直接に記事を書き込めるところにあるでしょう。

 これなら、わざわざネットワークの線をつなぎ換えてファイルの送信を行わなくてもだいじょうぶです。どこのパソコンからでも更新が可能です。いやパソコンだけでなく携帯電話からでもできるのです。

 調べてみたら、私の知り合いでもブログを始めた人たちがたくさんいました。その中のパソコンに強い人の数人は、「Movable Type」のように自分でプログラムを準備し、設定を行い、作動させるというタイプのブログを使っていました。

 私もさっそく挑戦してみましたが、サーバでCGIが使えるという条件があることと(私のサーバでも使えそうなのだが何度やってもエラーが起きる)、ブログを動作させるためのプログラムの大きさが6.5メガバイトほどあって、それを全部アップロードすると私が契約しているサーバの容量をオーバーするという問題もあって、自力ブログ設定はあきらめ、既存のブログを使うことにしました。

 しかし、既存のブログも、使ってみると「Movable Type」並の設定も可能であり、むしろ初心者レベルでも気の利いたデザインにできるなど、実に便利なものでした。しかもそれが無料で提供されているのですからすごいものです。(余談ですが、うちの子の友達の中1生などはほとんど自分のブログを持って使いこなしていますしね……)

 ということで、私のホームページの活動再開の場として始めたのが「ぽつりぽつり」というこのブログ(http://assoonas.blog32.fc2.com/)です。

 名前が「ぽつりぽつり」なだけに、毎日更新というわけにはいきませんが(^^;)、マイペースで、できるだけ書いていきたいと思いますので、時々覗いてみてください。なお、こちらのホームページ「面白半分」、中でも比較的まめに更新してきた「うんちく講座」は、「ほとんどお休み」ということにさせていただきます。乏しいエネルギーをブログに向けることと、更新のための作業(接続方法の変更等)が面倒なこと等が主な理由ですが、場合によってはどうしても元のホームページでないと表現できないこともあるかもしれません。それに備えて「完全閉鎖」ではなく「ほとんどお休み」ということにさせてください(^^;)

 それでは、こちらのサイト、ホントに長いこと、ありがとうございました。新ブログもよろしく!!

<05.11.06>

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