あきたこまちが三平に


 今回は、「オラホだけかな」というよりは「ふるさと情報」に近い話題。



「あきたこまち」という銘柄米がある。

 その名の通り、秋田県生産米の主力銘柄で、古くからの主銘柄であったササニシキ、それに最近急激に伸びてきたヒトメボレと並んで、県内では生産量が多い。



 昭和60年の市場デビュー以来、その味の良さとネーミングの良さで全国ブランドに成長した。


市女笠のこまち娘 販売用の米袋は、左の画像のような市女笠(いちめがさ)姿の「こまち娘」が微笑んでいる写真がついているデザイン(下の写真参照)で、米穀店等の店頭に並んだときのインパクトも強く、この笑顔につられて買って、あきたこまちのファンになった方も多いのではないだろうか。


(袋のデザインはこんな感じ)



 ところが、ここ数年、販売状況が苦しくなっているという。

 全国的なコメ余りの傾向もあるのだが、原因の1つには、類似した米袋の急増があるのだそうだ。



 上のデザインの米袋は「秋田県産あきたこまち」のものである。

 しかし、あきたこまちは秋田県以外の県でも作付けされている。これらの他県産あきたこまちも、似たようなデザインの袋で販売されているのだ。

 ひどい場合だと、あきたこまちの人気に便乗して、他の銘柄の米やブレンド米を「秋田県産あきたこまち」に類似した袋で販売している例もあるという。

 買う人は、そういう細かいところまで気にしないことも多いだろうから、本家本元の「秋田県産あきたこまち」の販売量が落ちてしまっているのだそうだ。



 そこで、JAあきた経済連では、類似米との差別化を図るため、14年ぶりに米袋のデザインを一新することにした。

 今度の「秋田県産あきたこまち」の袋からは、こまち娘が姿を消し、かわって漫画「釣りキチ三平」が登場した。

 新デザインの米袋は下の写真のようになり、三平が水田をバックに三平がOKサインで「これ本場もん!!」と秋田産を強調している。




 ご存知の方も多いかもしれないが、「釣りキチ三平」の作者の矢口高雄さんは秋田県の増田町の出身。JAあきた経済連の委嘱を受けて、このデザインを担当した。

 これなら、著作権法にも守られるので、他県産の米では類似の米袋を作ることはできない。



 経済連では、この類似品の排除効果の他にも、売場で目立つという効果を強調し、「間違いのないあきたこまちを消費者に届けることができる」と自信を持っているが、長年なじんできたこまち娘のデザイン変更には、かなり不安もあったようである。



 ねらいとは逆に、釣りキチ三平デザインのあきたこまちがまがいもの扱いされ、こまち娘デザインの他県産や類似品のほうが売り上げを伸ばすということでは困るだろう。

 秋田県内でも、まだこの米袋デザインの変更はそれほど知られていないので、県外で「釣りキチ三平」の新デザイン米袋が普及するには時間がかかるかもしれない。

 このページをご覧の方は、知り合いの方にでも「あきたこまちの袋が変わったんだって。本物の秋田県産は釣りキチ三平の袋だよ」と宣伝していただければありがたい。



 これまでのこまち娘が好きだったという方も多いだろうが、ご安心を。

 従来のこまち娘は、県産米全体のキャラクターとして新しい米袋の裏面に登場するということなので、これからは「あきたこまち」以外の秋田県産の米を買っても、こまち娘にあうことができる(^^;)


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