広場のゲートボール場化
私の住む地域だけの現象だったらよいのだが、おそらくは全国共通の現象なのだろう・・・
「うんちく講座」でも私が繰り返し書いているように、子供は遊びの中で成長していく。
ただ、残念なことに今の子供たちには、その時間も場所も開かれていない。
私が小さい頃は道路が遊び場であり、そこに近所の子供たちが大きい子小さい子の別なく集まって、三角ベースの野球などに興じたものだが、今では道路で遊ぶことはできなくなった。
そうなると近所の空き地で遊ぶことになるが、近頃では空き地もめったになくなった。
たまに空き地があっても、そこは住宅造成地になっていて「立入禁止」の看板が立っていたりする。
そんな状況の中で、危険のない遊び場を確保するため、地域の公民館や児童館のそばに広場がつくられているところも多いが、よく見てみると、それが老人のゲートボールのための場所に変わってしまっていることに気づく。

子供が学校に行っている日中から夕方にかけて、広場にはゲートボール愛好家が集まり、にぎやかにゲームを繰り広げている。
家にひきこもり運動不足になりがちな老人の健康づくりのために始められたこのスポーツは全国的に普及しているようだ。私の地域でも盛んに行われており、大きな大会に出ても上位の成績をおさめているという。
それはそれで悪いことではない。
しかし、ゲートボールをやるためにきれいに整地され、コートを区切る線(ひも)が張られているこの場所は、そこで子供たちが自由に遊ぶことを拒否しているようにも見える。
実際、老人たちが遊んでいない時間に、子供たちがここで自転車の練習をしたり、雨でぬかるんでいるときにサッカーをしたりすると、「誰だ!コートをボコボコにしたのは!」という苦情が出るだろう。
道路でも遊ばれない。学校のグラウンドは野球やサッカーのスポーツ少年団の練習で独占されている。広場までゲートボールの老人たちに占拠されてしまった‥‥‥
となると子供たちはどこで遊べばいいのだろう。やはり家の中でテレビゲームをやるか、学習塾に行くかしかないのだろうか。
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