秋田の宿はご飯が不味い?
※ このコンテンツは、私の個人的感想という色合いが濃い。この文章を読んで、「ははあ、秋田県ってそんなもんか」というイメージを持たれると困るので、この文章に関してだけは「オラホだけかな」ではなく「オラだけかな」ということで読んでいただきたい(^^;)
秋田県には全国的に自慢できるものは少ないのだが、お米についてはかなり自信がある。新潟県のコシヒカリと並んで、秋田県のササニシキといえば美味しい米の代表だと思っている。(最近は「秋田こまち」の方が名が売れているが、美味しさからいったらササニシキの方に軍配が上がる。特に私の地域の本荘由利でとれるササニシキは絶品である)
ふだんから美味しい米を食べているので、お米に関しては、私はかなり舌がこえているという自信もある。
ところが、近隣の県(岩手県、山形県など)に旅行すると、そこの宿で食べるご飯もかなり美味しい。
宿の仲居さんに聞いてみると、たいていは、その県でとれる一番美味しい米を使っているのだそうだ。あるいは新潟県や秋田県の米を買って使っている宿もあった。
いずれにせよ、東北の県はどこでも自慢できる銘柄の米を持っているし、そのレベルも高いということになるだろう。
しかし、米の味に関しては(私の主観だが)全国一位であるはずの秋田県の宿で出されるご飯は、けして美味しいとは言えない。どちらかというと、ふだん私が自宅で食べているご飯より不味い。
私が宿泊した秋田県内の旅館やホテルが偶然そうだったのかもしれないが、あまりご飯の美味しい宿に泊まったことがない。
おそらく、ご飯にかけるお金をけちっているのではないだろうか。秋田県でもトップレベルの米を使って、炊き方なども工夫をしたら、岩手県や山形県などの宿に負けることのない極上のご飯を出すことができるはずである。そうでないのは使っている米や、炊き方に特別な配慮をしていないからであろう。
秋田県人は、基本的に酒飲みである(語弊があるかな^^;)。飲むための肴があればメシはいらないという人も多い。また酔っぱらった人間に出すご飯は、とにかく腹に入ればよいという考え方もあるかもしれない。
しかし、県外から秋田県に旅行して来る人たちは何を求めて来るのだろうか。刺身やステーキを食べたくて来るわけではないはずである。(海外に旅行する人は、毎日、食べ慣れた日本食を求めるわけではないだろう。その土地でなくては食べられないものを求めるのではないだろうか)
だからこそ、秋田県の宿は、一番美味しいご飯を出さなければならないのである。料理にかける金をけちってでも、米には金をかけるべきだ。
酒の肴に出すのは山菜のおひたしだけでもいいではないか。昔ながらの釜と薪で炊いた少しお焦げのあるご飯、それに漬け物でも、本物を出したら実に旨いはずだ。(これに加えて、布団は昔ながらの「わら布団」、洒落た浴衣のかわりに田舎っぽいドテラを着せ、部屋の照明は裸電球なんていう「本家田舎旅館」にしたら、けっこう人気が出るのではないかと思う)
秋田県人が商売下手なのは定評があるそうだ。(私も隣の山形県に負けていると思う) だから、無理をして都会の高級ホテルの真似をする必要はない。口べたでも本物で勝負するという方向で行かなければ、誰も秋田県に来ようなどとは思わなくなる。そこらへんを意識しないまま、特別な工夫をしていない宿が多いような気がするのは私だけだろうか?
後日談だが、この文章を書いて掲載したあとに、全国紙の秋田支局の支局長が、この文章とほぼ同じ趣旨の文章を地方版のコラムに書いていたことを教えてもらった。どうも、こういう感じを持つのは私ひとりだけでもないようである(^^;)
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