おぶつだん



 秋田県には漆器の名産地があり、仏壇なども良いものが生産されている。(川連漆器が特に有名。なお、この町では、これも有名な「稲庭うどん」もしており、「稲庭」と「川連」を合わせて「稲川町」という町名になっている)

 それは、おいといて

 仏壇の宣伝をするテレビCMが毎日のように放送されているが、それが私には妙に気になる。

 「お仏壇のご用命は○○に!」というアナウンスの「おぶつだん」が、私にはどうしても
 「汚物壇のご用命は○○に!」としか聞こえないのである。

 敬語としての「御」(お・ご)について調べてみると、

○ 「おかず」「おたまじゃくし」「ごはん」のように慣用が固定している場合
○ 「先生のお話」「先生のご出席」のように真に尊敬の意味をあらわす場合
○ 「お帽子」「ご意見」のように相手の物事を表す場合
○ 「お手紙」「お礼」のように自分の物事であるが、相手の人に対する物事である以上、慣用が固定している場合

 などは「御」をつけることになっているが、それ以外にはむやみに「御」をつけないようにすることになっている。

 この仏壇の場合、まだ誰のものでもない訳だし、誰を尊敬するかたちの使い方でもない。むしろ、むやみに「御」をつけすぎの部類に入るだろう。

 重厚な漆塗りの仏壇が、タンつぼなどを上げておく台に変身しないように、「おぶつだん」はやめて、すっきりと「仏壇」と言う方がよい。

 ところで、「おぶつだん」と言うのは秋田県だけなのだろうか?



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